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慎太郎はあの後、静かに息を引き取った。
詳しくは覚えていないが、いつの間にかみんな集まっていて、もう目を覚まさない彼を囲んでいた。
俺は眠る君をそっと抱きしめて、その場を去った。
.
慎太郎の葬儀は、多くの人が参列していた。
彼は愛されていたのだと、痛いほど実感した。
最期のお別れのとき、
棺に眠る君はたくさんの花に囲まれて、ひどく穏やかな顔をしていた。
君の顔を見ていると、
君の笑った顔、怒った顔、涙を堪える顔、
たくさんの思い出が脳内を駆け巡って、
涙がとめどなく溢れてきた。
そんな嗚咽を漏らす俺の背を、
誰かがそっと撫でてくれた。
.
あとは火葬だけとなり、みんなで移動した。
移動車はジェシーの隣に座っていた。
ジェシーは俺を気遣ってくれているのか、
俺の肩をそっと抱いてくれた。
それが安心感を与えてくれた反面、
その手が慎太郎だったらと考えてしまう自分が憎い。
そんなこと考えても、
もう二度と慎太郎には逢えないのに、
そう思った途端、また涙がこぼれた。
.
火葬場で、本当に最期のお別れ。
最期に慎太郎の顔を拝むと、
扉の向こうへと棺が運ばれる。
慎太郎を止めることなんてできるはずもなく、
ただじっと、運ばれる棺を見つめていた。
.
俺はこの時、
4人がどんな顔をしていたのか、知らなかった。
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作者名:鈴森。 | 作成日時:2020年10月30日 1時