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hk.





最初に動き出したのは誰だったか、
車は慎太郎が乗っていったから、急いで携帯で近くの駅を調べて、電車に乗り病院へと向かった。



受付の人に慎太郎の名前を告げると、病室を教えてくれた。


言われた病室に足を運ぶと、ドア付近に2人の警官が立っていた。





「電話に出られた方でしょうか?」


「はい、そうです。
あの、慎太郎は……」


「事故の目撃者によると、飛び出してきた子どもを避けようとハンドルを切り、そのまま電柱に衝突したそうです」


「なら、怪我で済んだんですか……?」


「いえ、それが……」







.








「電柱に衝突した後、突然車が爆発したようで…
今晩が山場だと、医師からは聞いております」








ガン、と頭を鈍器で殴られたみたいだった。







「そんな……ッ」


「なんで爆発なんか…!」






「現在、爆発の原因を捜査中です。
また分かり次第、お伝えさせていただきます。

それから、森本さんのご家族の方と連絡が取れる方はいらっしゃいますか?
連絡を試みたのですが、森本さんの携帯の充電が切れていて連絡ができず……」


「あ、じゃあ僕が……」




そう言って、高地は席を外した。





「森本さんは今眠られております。
私どもはしばらくの間こちらにいさせていただきますので、何かあれば言ってください」


「わかりました。ありがとうございます」






高地はまだ戻ってきていないが、そんな気遣いなんてできる余裕もなく、警官との話が終わると一目散に病院へと駆け込んだ。








目に入ったのは、たくさんの管に繋がれ、
顔に大きな傷を負った慎太郎の姿。



よく見ると所々火傷を負っていて、その姿は酷く痛々しい。





一気に現実だと、理解させられた。









「しんたろ……ッなんで、ねえっなんで……」


「ねえ、春から先生になるんでしょ?
ようやく、夢が叶うねって、言ってたじゃんッ……」


「俺、まだまだ慎太郎と遊びたいのに…!」


「BBQだって、お前とジェシーのために良いお肉いっぱい用意したし、楽しみにしてたじゃんか…!」







一度溢れだした言葉はどんどん大きくなっていき、
みんなでわんわん泣いていた。






俺は、そっと慎太郎の手を取った。
手の甲にも火傷の痕があり、そこには触れないよう、ごつごつとした指をそっと撫でた。






「慎太郎、起きて……
俺まだ、慎太郎と一緒にいたいよ……ッ」





溢れた涙で、慎太郎の顔が歪んで見えた。

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作者名:鈴森。 | 作成日時:2020年10月30日 1時

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