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jr.






一目惚れだった。






彼のダンスに惹かれ、途中から参加したサークル。



そこには、傍から見れば正反対だとよく言われる親友もいて、何よりも彼と一緒にダンスができるのがすごい楽しかった。



彼と一緒に過ごしていくにつれて、その人柄にもどんどん惹き込まれていった。






.









でも、彼が選んだのは、俺の親友だった。



もちろん、親友のことも大切だった。


けれど、それ以上に彼への想いが募りすぎた。







だから俺は、








.






.









親友(北斗)が痛い目にあえばいい、なんて考えてしまった。






.





慎太郎たちの卒業旅行の日、ほかの4人には内緒で俺と北斗は"ある事"を計画していた。







それは、慎太郎とジェシーへのサプライズ。



ようやく全員が卒業したことになるし、これから社会人となる2人への激励も込めて、ちょっとしたケーキを用意しようと、北斗に持ちかけたのだ。



俺らは、きょもの別荘の最寄り駅近くに小さなケーキ屋さんがあることを知り、そこでケーキの予約をして当日それとなく取りに行こうと考えた。





ケーキを取りに行くのは北斗で、
夕方5時に取りに行くことになっていて、


俺はその間に2人へのプレゼントを用意する役を買って出た。









みんながBBQの準備を進める中、俺は電話がきたからちょっと出てくると伝えると、


おそらくケーキ屋か何かからだと思ったのであろう、
北斗がこちらに目をやっていたので、適当に頷きその場を離れた。






俺は自分の車に乗り込み、ブレーキにちょっとした細工をした。


普通に運転している時ブレーキを踏んでもすぐには止まらない、といった程度のもの。




ブレーキがきかなければ、多少なりとも、誰でも焦るであろう状況を作りあげることができる。


俺はこれを利用した。




ほんの少しでもいい、
北斗が焦って、なにか小さな事故にでも発展すれば万々歳だ、


なんて考えていた。




.





.








まさかこの行動が、愛する人を死に追いやるなんて思いもしなかった。

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作者名:鈴森。 | 作成日時:2020年10月30日 1時

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