[短編集]空色[フィッシャーズ]

死にたいと言ってみた モトキver.※夢主病み期 ページ13

モトキ目線




　「…もうさー、死にたい」





とある晴れの日。




彼女の家にお邪魔していたのだけど




横にいる部屋の主から、しかも唐突に




そんな言葉をきけば誰だってたまげるに決まってる。







実際今の俺がそうだから。









モ「…なんかあったの？」







俺でよければききたかった。









いつもよりこんなにド直球にいってくるAがあまりにも珍しくて。









いつもなら頼ってもくれないAの本心が聞けたのが本当に嬉しくて。









俺はただ先を促すような言葉で訊ねた。









　「んーー………いや、なんでもない」




モ「嘘つかないで、


目、虚ろだよ？」






　「………」







確証を付いてやれば押し黙ってしまう。








Aの昔からの癖だ。









モ「ねえ、シルクにもいつも言われてるでしょ？

誰かに言いたいことがある時は、きちんと言葉にしろって」









＿だから話して？









頭を撫でながらの、
女ったらしがしそうな自分の言動になんだか笑ってしまいそうになる衝動を堪えて









Aの先の言葉を待った。









　「私が、さ…
生きてる理由ってなんなんだろって…」









最近のAはおかしいと思っていたけど
やっぱり、か。









完璧病み期だなあ









でもだからって俺たちは
その状態のAの存在を否定だけはしない






それは、本人にとって1番傷つく事だから









だけどその時の励まし方はメンバー人それぞれ。









シルクやンダホなんかは励ます方だし
マサイはどっちかって言うと、正論を述べちゃうみたい。






だけど、この時のAがそういう言葉を望んでるわけじゃないのは




その場の顔を見ればよくわかること。








　「なんで、人って生きてるんだろうね…」









答えを提示する時、浮き上がってくるのは









人それぞれの価値観と、個性と






そして生き方。









その3つが答えを求めた人と提示した人で合うかによって






この人に相談してよかった、という感情が生まれるし
それこそ逆も然りだ。









簡単に言ってしまうと、相性ってやつ。









それを踏まえてAの質問だけど





俺の考え方は
彼女の心の奥底で求めてる答えと合ってると思う。

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