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40- 好きだから_鬱先生 雨々リクエスト ページ40

「…大先生なんか、嫌い」


自分が吐いたその言葉で、時が止まった気がした

喧嘩相手である彼は、先程とは違い目を見開いたまま微動だにしない




ずっと言わなかったその言葉、
言わないようにと気を付け続けていたその言葉






だけどもう意味が無い
我慢はした、浮気に対して寛容である様に努めた

それでも彼の浮気症は全く治らなかった


なのに、私が仲のいい会社の男性と飲みに出掛けると怒るのだ


都合が良すぎるだろう。





限界、と吐き捨て私は自分の鞄を持ち玄関へと向かう
そこで我に返った彼は、私の手首を掴み引き止めた



鬱「ま、待ってや!!なあ、嘘やろ…?嫌いなんか…」


「残念だけど事実よ、もう嫌なの」



貴方の行動に一喜一憂するのも
貴方の事を簡単に許してしまう自分も




もう沢山だ。




私が手を振り払おうとすれば、彼は顔を歪めるものの、力を込め私を引き寄せた


男の力に勝てるはずも無く彼の胸元に収まってしまう


そのまま強い抱擁をされれば逃げる事は叶わなくなった






鬱「嫌やっ、Aの事好きやねん、別れたないっ…」

「…生憎私はもう冷めたの、離してよ」



彼が離してくれる事を願い、私は感情も込めずそう言った
それでも彼は首を振るばかりで一向に離そうとはしない



そんなに手離したくないなら、何故浮気をするの?
…嗚呼、そうか。
必然と出されたその答えに自分でも少し笑ってしまう。



「…そうよね、キープって必要だものね」

その方が便利だし、と付け足すと、彼は思わず私の肩を掴み体を離した
離したといっても、肩を掴まれている為逃げる事は未だに出来ないけども。




鬱「それ、どういう意味…?」


何時もよりも格段に低いその声
肩を掴む力も、とても彼が女に触れる時の力とは思えない程篭っていた




怒りを孕んだその青に私は嘲笑して見せた




「私なんか、所詮お遊びだったんでしょ?」


馬鹿みたいだ。そんな事も気づかず、私は今まで彼の浮気に嫉妬して心を乱していたのか


本当に、馬鹿みたいだ。





鬱「っ、それ、本気で言うてるん?」



何をそんなに怒る事があるのか。
私がぼんやりと何処か上の空で考えていると、突然口元に柔らかい感触が襲った

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琴葉(プロフ) - カカオさん» 読んで下さりありがとうございます!書けそうでしたら、次に出す趣味短編集で書かせて頂きたいと思います…! (2019年8月31日 10時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
カカオ - この小説大好きです。 過去の過ちを_ロボロもし続きとか… (2019年8月25日 10時) (レス) id: ad3091599a (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 雨々さん» ううん、むしろずっと読み続けてくれてホンマにありがとう!!もしも次回作があれば、また宜しくです…! (2019年8月13日 18時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - お疲れ様!!ここまで素敵なものを書き続けてくれて本当にありがとう (2019年8月13日 17時) (レス) id: 4167835ff9 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - ちぃ汰。さん» ホンマにいつもありがとう!!!ちぃ汰が待ってくれてるなら頑張れる…!マジで専用のでも作ろか…笑 (2019年8月13日 17時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琴葉 | 作成日時:2018年9月16日 12時

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