【短編集】君の傍に[実況者]

37- とある日常＿グルッペン ページ37

グ「……」

不気味な程、城内が静かだ
いや、静かという程声が聞こえ無いわけではない
寧ろ廊下からコネシマやシャオロンや、誰かしらの声は聞こえているが俺の言いたい事はそうではない




別の言い方をすると、"平和"だ。


何時もなら仲間の悲鳴がそこかしらと聞こえるのが日常だが、今日はそんな声は一切聞こえない


いい事な筈だ。
なのにそれが何処か不気味で、何処か寂しくも感じる




グ「ふっ、重症だな」


自分の心境の変化に思わず苦笑を零し、手元の書類にまた視線を戻すと

　「…何が？」

グ「っ！！い、いつの間に…」




それは突然。自分の後ろにいた、驚く事になった元凶に俺は思わず座りながらも出来る限り距離を離した

いつの間になんて野暮な事は言いたくないが、
言ってしまうほどに気配を感じなかった








　「あはっ、びっくりしたー？」

グ「…そりゃな」



俺の反応が余程気に入ったのか、いつもの様にケラケラと笑う悪戯の大好きな彼女。





それが、何だかんだと言いつつ愛おしく感じる



他の奴がやれば腹の立つような言動も彼女なら許せてしまう






　「じゃあ、悪戯周りしてくるー」


気の向くまま、先程まで自分の近くにいた彼女はいつの間にかヒラヒラと手を振りながら、そう言って部屋を出ていった




グ「……俺も、あいつには弱いな」



彼女が可愛らしくて、愛おしくて仕方が無い




そんな、とある昼下がりのこと。




＿＿＿＿＿＿

因みに、短編集という名の長編に出てくる夢主と総統の話です


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