[短編集]色んな愛[実況者][完結]

43　サプライズ＿レトルト　∞涼音∞さんリクエスト ページ47

A目線




夜、誕生日を祝いたいからとレトに呼び出された。







というか元々約束していたから断る理由なんてない。








　「別にいいのにねー」





小さく、無人のエレベーターに乗りながらそう呟く。






私はレトの傍にいれるだけでも幸せと感じれるんだから。



誕生日を祝ってもらえるなんて


なんだか申し訳ないほどだった。









　「ふう…」







一つ息を吐き、私はいつも通りの冷たい手でインターホンを鳴らす。









中からドタドタと慌ただしい音がきこえたあと、









レ「A！」





待ってましたと言わんばかりの表情でレトが迎え入れてくれた。









いっても久しぶりの再会なわけで生理現象のように胸がうるさいくらい音をたてている。









レ「そういや久しぶりやなー」



　「そーだねーお互い仕事やらで忙しかったしねー」









なんて他愛もない会話をしながらリビングへと足を踏み入れる。









レ「……」




部屋に入ってソファーにお互い座ったが


なんだかソワソワと落ち着きのないレトに疑問を覚え





小首をかしげながらどうしたのかと尋ねた。









レ「え、あ……いや、その…」





レトルトは私からの問いに
ぶつぶつと言葉を濁しながら目線を右往左往させる。









それが一、二分ほど続いたが








レ「あー！はずかし…」









そう言い残したかと思えば隣の部屋に向かい









返ってくると









　「…！」









レ「誕生日、おめでとう」




私の視線はレトの手元にくぎ付け。









だって









数本の赤い薔薇があったから。








レ「なんかサプライズしたかってんけど
こういうのしか思いつかんくて…」






申し訳なさそうに頭をかくレトに私は潤んだ瞳のまま首をふる。





嬉しすぎる。

こんなことしてもらえるなんて思ってなかったから
元々弱い私の涙腺なんて簡単に破壊された。





泣かんといてよ、と笑いながら私の隣に座るレトから



薔薇を受け取る。








レ「五本の薔薇の意味は
あなたに出会えたことへの心からの喜び。






Aと出会えてホンマによかったよ」







二つの記念日である今日。




　「ありがとう」




『幸せ』なんて言葉じゃ足りないほど、




幸せだった。



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∞涼音∞さんリクエスト、愚痴をきいていただきありがとうございます！

サプライズネタってあまりにも書いたことがなかったので
おかしいかもしれませんがご了承下さい…
またよければリクエスト下さいね！

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