[短編集]色んな愛[実況者][完結]

37　引換薬＿フジ ページ39

フジの命は、もう永くない。









＊＊＊




元々体がそんなに強くないとはいえ、



まさかここまでなるとは思いもしていなかった私は
話を聞かされた時現実だと受け入れがたかった。









フ「俺ね、肺がんみたい…」







嘘だといってほしい、そう思った。







でもこれが嘘じゃないのだと一番にフジの表情が物語っていて

私は涙を流した。









咳なんて日常茶飯事で、出来たら入院がいいのだが







フジがどうしても私含め実況者仲間の皆と一緒にいたいと言うので
お医者さんが気を使って週二回の通院にしてくれている。









でも進行が結構進んでいたらしく




もう、手遅れなのだという。









　「フジ、大丈夫？辛くない？」







苦しそうにえずくフジの背中をさすりながら問いかけると







フ「だい、じょうぶ、へへ、ごめんね？心配かけて」









苦しんでしょ？









辛いんでしょ？









なのにフジはいつも私を気にかけて






無理矢理笑顔を作っては私に心配をかけまいとしている。









それが私にとっては辛い。









苦しいんなら頼ってほしい。









泣き言くらいきかせてほしい。









かっこ悪いなんて思わないでよ。







私を頼って。









でもそんなの言ったら君は困った顔をして、頬を掻くんだろうと思うから。









胸にとどめたまんま。

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