TAKE40 ページ44
(you.side)
どうして、どうしてこうなったの。
赤色に染まる自身の手など今はどうでも良くて、彼の肩に手を当てる。
痛みのせいか荒い呼吸を繰り返す姿にどうしようもないほど恐怖を覚えて、私は滲む視界のまま彼の名を呼んだ。
ロ「だい、じょぶ、やから」
やっと聞こえた声も掠れ声。
今痛いのは彼のはずで、泣きたいのは彼のはずなのに。
どうして私の不安を、恐怖を拭うことを優先するの。
止まることを知らない雫はポロポロと赤い傷口を濡らした。
どうして彼がこんな目に？
どうして彼がこんな思いを？
自問自答のまま頭を抱え込めば一つの言葉が私の脳に届いた。
ゆ「…お前のせいだ」
先程まで放心状態だった彼女の言葉に私はハッと顔を上げた。
憎しみを込めた忌々しげなその瞳。
私は彼女になにかしてしまったのだろうか。何か奪ってしまったのだろうか。
問いかけはなんの意図もなく返ってくる。
ゆ「お前が、お前がロボロくんの関心を奪って、ロボロくんと関わり持って、おまえがっ…お前のせいで私はこうするしか無かったんだ！！」
全て演技だった、彼女の行動も言葉も。
ただ彼女は自分と何一つ変わらない部分があった。
形は違えど彼が好きだった。
それだけは間違いなく、どんな行動になろうとも。
私のせいなのだろうか。
私が抜け駆けをして彼と関わりを持ってしまったからこうも拗れたのだろうか。
私が彼と出会った日気付かなければよかったのか。
いや、せめて一緒に帰らなければよかったのか。
『ごめ、なさい…私の、せいで…』
誰に謝っているのかわからない。
けれど言わずにいられなかった。許しを乞うていたかった。
どうすればいいか分からないけど彼女か、誰かに許されたかった。
けれど勢いよく掴まれた腕の力強さに思わず私は顔を上げた。
目の前には私を庇って、血を流してくれた彼がいた。
彼が泣きそうな目で私を見つめていた。
ロ「ちゃうよ、Aさんはなんも、何も悪ない。やから、謝らんといて」
痛みに顔を歪めているものの、それでも伝えずにはいられないようだった。
優しい手つきに撫でられた頬が少しずつ温かみを帯びていく。
きっと、私が一番許して欲しい相手は
私のせいで傷つけてしまった貴方だ。
ゆ「なんで、そいつを庇うん…なんで」
ロ「っ、当たり前や！好きな人庇って何が悪い！！」
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雨々(プロフ) - は………はあああああああああ……めっちゃ好き。読むの遅くなったのすげぇ後悔してる。ありがとう大好き最高 (5月16日 1時) (
レス) id: 518d9995ce (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 匿名さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます🙌'その作品面白いですよね〜友達に勧められて読んだことあります！少しでも楽しくこの作品を読んでもらえて嬉しく思います☺️ (2022年5月10日 12時) (レス) id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - ガチ恋粘着中という作品の最推しバージョンみたいな感じに思えてとても幸せでした...完結おめでとうございます💕次の作品を楽しみにしています✨ (2022年5月7日 17時) (レス) @page48 id: 84c6360402 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - える＠脅威推しさん» コメありがとうございます！その感じわかります、私も前までガチ恋気味のお仲間ですので…周りに言われる言葉もありますが、少しでもこの題名が心に残れば幸いです☺️最後までお付き合い下さりありがとうございました！ (2022年5月2日 19時) (レス) id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - コム＠作っては削除botさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございます！嬉しいお言葉です…🙏もしお時間ありましたら、他完結作品も是非お読みくださいませ！またお会いしましょうね (2022年5月2日 19時) (レス) id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴葉
| 作成日時：2022年3月22日 16時
