↓ ページ47
此方に伸ばされた手が頬に添えられる。
そしてそのまま
目頭に溜まった水滴を親指の腹で拭われた
優しくてでもぎこちない手つきが、
誰にでもしている事では無いのだと実感させた
『な、んで、心配なんか、大丈夫やのに…』
ト「……仲間心配したらあかんのか？」
『……仲間…？』
ト「おん、もう仲間やろ」
その言葉に、傷付いて、痛み続けていた胸元の何かが
染み渡るようにじんわりと温かく、そしてギュッと締め付けられた
ずっと望み続けていた『仲間』。
それは、果たして甘えてもいいのだろうか。
甘えても何処までなら許されるのだろう。
葛藤を続ける私の胸中をよんだのか、
彼の手が今度は背中に回された
ト「お前のは『甘え』ちゃう、
ちょっと人に頼る事を甘えとは言わん」
そんな優しい温もりも、そんな優しい言葉も
私には生まれて初めて向けられたもの
彼らの邪魔にはなりたくないから
せめて彼らの役に立ちたいからと、抑えていた涙が一向に止まらない
彼の服にシミを作っている事に謝っても
彼は寧ろ腕の力を強め私をまた抱き寄せるばかり
幸せだ、と私が思わず笑みを零せば
彼は安心したように同じく笑った
何ともない、
大丈夫、私はまだやれる。
昔はずっと自分にそう言い続けてきた。
でも、もう必要ない。
一種のおまじないを
私はその日初めて捨てた。
＿＿＿＿＿＿＿
(昔、キチンと仲間になった初めの頃
初めて私の望む言葉をくれたのは、彼だった)
＿＿＿＿＿＿
(趣味短編集、入試終わったら出します…
ほぼ病み系ばっか取り扱うやろうけど)
＿＿＿＿＿＿
自分語りのため読まなくても大丈夫です↓
昔は我慢をするのが美徳と思ってました
でも、「しんどいのなんか言わんかったやん」
「痛いのなんか言わんかったからしらんやん」
と親に言われてから、
「しんどい事は言わな相手に伝わらん」と学び
その日から言う事に躊躇いが無くなりました
まあ親なら言葉にしなくても伝わって欲しい、
というのが当時も今も続く私の望みですけども
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 384人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琴葉(プロフ) - 龍ヶ崎 大和＠天災駄作者さん» 通知が来ておらず…返事が遅くなりすみません…！！こんなに褒めてもらえることなかなかないので…そう言って頂けて本当に嬉しいです！！！ありがとうございます！ (2019年10月8日 20時) (
レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
龍ヶ崎 大和＠天災駄作者(プロフ) - 関連に出てきて来てみたんですが……これはすごいですね。1話読んだだけでもわかる圧倒的な文章の質の良さ。そして一人一人のキャラの確立、文の読みやすさ。これは10点満点の評価もわかります。素晴らしいですね。(上から目線だと感じたらすみません) (2019年9月14日 11時) (レス) id: 37693eaa1b (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 焔花さん» そう言って貰えるのはホンマに嬉しいです…！！！ホンマに、全然わからんくて…曖昧なままで日常の方には入れたくないなあとか、皆さんにほぼ違和感なく読んでもらいたいなあって思って、こっちで練習試合しております… (2019年8月17日 1時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
焔花(プロフ) - オスマンさんの口調判らんってほんまですか？私琴葉さんのオスマンさんの口調めっちゃ好きなんですけど。 (2019年8月15日 20時) (レス) id: 501ef726e1 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 黒狐さん» ありがとうございます…！！(拝) 全部！？だいぶ量多いのに…嬉しいです…！お疲れ様です！！ (2019年8月15日 9時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琴葉
| 作成日時：2019年7月4日 1時
