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エ「ん、んんっ、ふあっ…は、」
段々と彼の口が開いて、先程より貪りやすくなっていく
半分意識が朦朧としているのに、
彼の手は私を制止しようと必死だった
傷付けないように、
爪を立ててでも逃げたいその気持ちを必死に押し殺すのが腕を掴む手から伝わってくる
薄く目を開き彼を見れば、
目頭からとめどなく涙が溢れていた
苦しいだろう。
それでも構わず彼の口内に残る息も吸う
長い、長い接物。
付けた唇から彼と一体化していくような感覚を感じる程に深く、彼を貪る
しかし段々と彼の手の力が抜けていくのが分かり、流石にと口を離した
『ん、エミさん、生きてる？』
エ「はっ、はあっ…、」
何かを言いかけたその濡れた唇は
言葉を発するよりも先に酸素を求める
やり過ぎや、と言いたげな瞳に睨み付けられるもそれ所ではなさそうだ
エ「な、にが…あったんですか…」
今度は此方の要求を呑めと言わんばかりに
両頬を包まれ、目を逸らすことを許されない。
息も絶え絶えな彼を前に、
今更ながら頭が冷静さを取り戻していく
やりすぎた。説明もなく彼を殺しかけた。
こんな事をしてしまった自分が恐ろしくて
そして嫌われたかもしれないという恐怖心が体を襲って
どんどんと涙が零れる。
『ご、めなさっ…』
エ「っ、泣かんといて下さい
怒ってへんから」
ただ、心配なだけです。
何処までも優しい彼は、そう言って私の涙を拭う
酸欠からかまだ彼の目は幾分か蕩けている。
先程とは違い、愛おしさから体が動いて今度は軽く口付けた
『ね、エミさん、愛して、
私の事、嫌わんといてっ…』
エ「っ！
そんなん、なるわけないやろっ！」
被害者である筈の彼が顔を歪め、私を抱き締める
突き放さないで、愛して。
求めれば求めるほど彼の腕の力がこもっていく
分かってる、私は狡い事をしていると。
彼の優しさを利用していると。
なのに嗚咽を零す口が塞がらない
我儘でごめんなさい、
お願い、嫌わんといて。
何度もそう呟けば
彼の両手がまた頬に添えられた
エ「…Aさん」
顔を見るように促され、恐る恐る彼の目を見る
その瞳は軽蔑の色も何も無くて
相も変わらずただ慈愛に満ちていた
エ「愛しています
これから先も、ずっと、ずっと
私は貴方を慕い続けます」
だから、安心してください。
告げられたその言葉に思わず顔が破顔する
良かった、と心の底から笑いかければ
彼は眉を下げ微笑み、肩の力を抜いた。
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琴葉(プロフ) - 龍ヶ崎 大和＠天災駄作者さん» 通知が来ておらず…返事が遅くなりすみません…！！こんなに褒めてもらえることなかなかないので…そう言って頂けて本当に嬉しいです！！！ありがとうございます！ (2019年10月8日 20時) (
レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
龍ヶ崎 大和＠天災駄作者(プロフ) - 関連に出てきて来てみたんですが……これはすごいですね。1話読んだだけでもわかる圧倒的な文章の質の良さ。そして一人一人のキャラの確立、文の読みやすさ。これは10点満点の評価もわかります。素晴らしいですね。(上から目線だと感じたらすみません) (2019年9月14日 11時) (レス) id: 37693eaa1b (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 焔花さん» そう言って貰えるのはホンマに嬉しいです…！！！ホンマに、全然わからんくて…曖昧なままで日常の方には入れたくないなあとか、皆さんにほぼ違和感なく読んでもらいたいなあって思って、こっちで練習試合しております… (2019年8月17日 1時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
焔花(プロフ) - オスマンさんの口調判らんってほんまですか？私琴葉さんのオスマンさんの口調めっちゃ好きなんですけど。 (2019年8月15日 20時) (レス) id: 501ef726e1 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 黒狐さん» ありがとうございます…！！(拝) 全部！？だいぶ量多いのに…嬉しいです…！お疲れ様です！！ (2019年8月15日 9時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴葉
| 作成日時：2019年7月4日 1時
