死ぬなんて、もう二度と(em) ページ15
何か、嫌な予感がして吸っていた葉巻を早めに消した
同じく近くでタバコを吹かしていた大先生が
不思議そうな表情で此方を見た
エ「いや、何か……先戻ります」
曖昧なその返事に益々首を傾げていたが
自分でさえ分からない
この不吉な予感を言葉には形容出来ないのだから放っておくしかない
廊下を進み、向かうはAさんの部屋
何故かと聞かれれば、
少し思い当たる節があるからだ。
ここ最近、Aさんはずっと嫌な夢を見るらしい
それもほぼ毎日。
ストレスかもしれない、
普段彼女は悪戯などで楽しんでいるようにみえるが
正直自分が想像も出来ない仕事の量をこなしている
トントンさんなどに続く苦労人だと私が勝手に認識している程に。
無意識に早足になっていたのか
彼女の部屋に辿り着くまでほんの数分しか経っていなかった
エ「Aさん」
目の前の扉を軽くノックする。
三回の自分のノックに扉の向こうから返事はない
不在かとも考えたが、持ち歩いている懐中時計を確認すれば
この時間は何時もなら部屋にいる時間だった
よくよく考えてみれば今日は自分の部屋にも来ていない。
そう考えて思わず唾を飲んだ
彼女の身に何かあったのでは？
嫌な予感が頭を過ぎり、もう一度ノックと声掛けをする
それでも返事はない
しかし扉に耳を当て人の気配を探れば、確かに彼女の気配を感じた
エ「入りますよ」
少し矢継ぎ早にドアを開け、
目に入った情報に思わず体が動いた
エ「ッ！？何やってんねん！！」
白く女性らしいその細い首に巻き付く、見慣れた紐
そしてその紐を引っ張ろうとする彼女の小さめの手
涙を流す、その瞳は暗く濁っていて
自分などまるで目に入っていない
思わず彼女の紐を引っ張ろうとする手を掴めば
やっと此方に意識が向いた
それでも安堵を溢す暇もなく、今度は紐が首を絞め始めた
『、たしが、いる、から…』
零れるその言葉に、自分の目が開かれるのが分かった
『私がいるから』、『私のせいで』。
彼女の口から紡がれるのはそんな言葉ばかり
何時もなら引き留められる自身の口も今は意味を為さない
そんな間にも徐々に首元などがうっ血しているのが目に入り、益々焦りが増していく
エ「ッ、すみません」
絶対にしたく無かった事だが、この際仕方がない
彼女に一言謝罪をし、拳を作る
その拳が迷わず向かった先は彼女の腹部
『う”っ…』
突然の打撃に体を曲げ、隙のできたその首元にチョップをかます
上手くいったようで、彼女の体はそのまま力を失った
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琴葉(プロフ) - 龍ヶ崎 大和＠天災駄作者さん» 通知が来ておらず…返事が遅くなりすみません…！！こんなに褒めてもらえることなかなかないので…そう言って頂けて本当に嬉しいです！！！ありがとうございます！ (2019年10月8日 20時) (
レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
龍ヶ崎 大和＠天災駄作者(プロフ) - 関連に出てきて来てみたんですが……これはすごいですね。1話読んだだけでもわかる圧倒的な文章の質の良さ。そして一人一人のキャラの確立、文の読みやすさ。これは10点満点の評価もわかります。素晴らしいですね。(上から目線だと感じたらすみません) (2019年9月14日 11時) (レス) id: 37693eaa1b (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 焔花さん» そう言って貰えるのはホンマに嬉しいです…！！！ホンマに、全然わからんくて…曖昧なままで日常の方には入れたくないなあとか、皆さんにほぼ違和感なく読んでもらいたいなあって思って、こっちで練習試合しております… (2019年8月17日 1時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
焔花(プロフ) - オスマンさんの口調判らんってほんまですか？私琴葉さんのオスマンさんの口調めっちゃ好きなんですけど。 (2019年8月15日 20時) (レス) id: 501ef726e1 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 黒狐さん» ありがとうございます…！！(拝) 全部！？だいぶ量多いのに…嬉しいです…！お疲れ様です！！ (2019年8月15日 9時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴葉
| 作成日時：2019年7月4日 1時
