煙草を押し付けないと出られない部屋(ut) ページ24
前回続き
＿＿
見覚えのある景色に私は溜息を零した。
周りを見渡せばまた真っ白、何も無い部屋。
けれど今日は閉じ込められてる相手が違った。
青いスーツが嫌に目についた。
『大先生か…』
鬱「あ、Aちゃん起きたん」
彼は私より先に起きていたらしい。
寝顔を見られたのかと思うと殴りたい衝動に駆られたが彼からすれば不可抗力。
仕方ない、許してやろうか。
鬱「…この部屋、言ってたやつ？」
『そ、何しても開かんのよ』
コンコンと目の前の扉をノックする。
それも白だからドアノブが無ければ同化して分からなくなりそうだ。
私の言葉に彼は何とも言いずらそうに視線を上に戻す
今回はなんだろう、と同じ方向を向けば予想の斜め上に思わず眉を顰めてしまった。
"火のついた煙草をどちらか片方に押し付けなければ出られません"
何とも悪趣味な指示だことで。
『…大先生、煙草あるん』
鬱「うん、俺最後の1本吸ったんやけどなぁ」
寝る前かいつか忘れても、煙草を自分が持っていない事は覚えていたらしい。
この部屋が普通な場所でないことを察したのだろう。
神妙な面持ちで彼は愛用の煙草のケースを手遊びし、一本咥えた。
ライターの火をつけ、片手は火元を覆う。
慣れたその動作に見惚れていると、熱くなったそれを彼は口から取りだしこちらに差し出した。
鬱「ええよ、俺にして」
『えっ…でも熱いのは確実なんやで！？夢ってゆうてもどうなるか…』
鬱「うん、でも俺Aちゃんに出来んし」
大丈夫と笑う彼の腕は少しだけ震えている。
怖い癖に。痛いの苦手な癖に。
煙を吸わぬよう、吸い口を向けられたまま受け取った。
躊躇いを見透かされ、早くと急かされればある意味心構えができて
私は彼の顕になった腕に火を押し付けた。
鬱「い"！！あ"…〜〜っ!!」
思っていたより痛く、熱いらしく、本人は腕を掴まれたまま崩れ落ちた。
声を漏らさないよう懸命に唇を噛み締め、フーっフーっと鼻息を荒くさせていた。
ごめんね。痛いね。
…でもこれ、もっと強く押し付けたらどうなるんやろ。
良からぬ考えが過ぎり、煙草を持つ手に力が入りかけるも
カチャンという静かな音が木霊した。
惜しかったなぁ。もう少し遅ければ彼に『開かんから』ってキツく擦り付けることが出来たのに。
まぁいいか。
脂汗をかく彼に『私のためにありがとう』と伝え、彼と共に部屋を出た。
(痕は、残るんか…確かに夢と思わんな、これ)
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るゆ - ぺさんだ！！！！(推し様を琴葉様が書いてくれて喜んでるオタクの姿)ほんとにありがとうございます！！とても好きです！！たしかに軍パロ難しそうですね…琴葉様が書く軍パロとても好きなのですが… (2023年1月15日 18時) (
レス) @page28 id: a49bcbae8a (このIDを非表示/違反報告)
逆音つらら@ちゃげっ娘。(プロフ) - 琴葉さん» 更新あったら読んじゃうわようふ()楽しみに待ってます！ (2021年7月13日 22時) (レス) id: 9e136fef77 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - 逆音つらら@ちゃげっ娘。さん» 私のはしっかり確認してくれてるなお主ｽｷ。近々してみた新しいの作るかも？？ (2021年7月12日 19時) (レス) id: bc3093acc5 (このIDを非表示/違反報告)
逆音つらら@ちゃげっ娘。(プロフ) - あっめちゃくちゃ好きです異能最高() (2021年7月12日 0時) (レス) id: 9e136fef77 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ汰。(プロフ) - 琴葉さん» 全然気にしてませんありがとうございます...。そうです、この時期祝われる事すくないので、だからこそ祝ってもらえるだけあたしは幸せですよ...笑 (2020年5月2日 10時) (レス) id: 3f437b8d31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴葉
| 作成日時：2019年9月18日 20時
