トモスアカリ2 (ページ10)

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9話　ＮＯside ページ10

ハガネ「ご気分いかがですか？…あ、申し遅れました私、リサちゃんの担任の芳賀です」

そしてハガネはお茶を入れ、リサの母親と話し始めた

リサ母「1年ほど前から人前に出るのが怖くなって…時々発作的にお酒を飲んでしまって…ダメな母親です」

ハガネ「原因はなんだったんですか？」

リサ母「…菊田、真理衣ちゃんのお母さんってご存知ですか？」

ハガネ「えぇ」

リサ母「リサと真理衣ちゃんは幼稚園の時からずっと一緒で、家族ぐるみで仲良くさせて貰ってました…でも1年前、一緒に通っていたピアノ教室の発表会でたまたまリサが選ばれてしまって…それから始まったんです。真理衣ちゃんのリサへの攻撃が…

困ったのはそれからでした。ピアノ教室に賄賂を渡したとか、私が色仕掛けしたとか、リサが真理衣ちゃんに怪我をさせられて、私が30万もお金を請求したとか…妙な噂が広がって、その出処を調べたら…全部菊田さんでした。それをきっかけに親しくしていた人たちはみんな私から距離を置くようになりました

主人は海外だしその時の寂しさや悔しさを思い出すと…飲まずには居られなくなって…」

ハガネ「…私もその気持ちわかります。あの、だってつい先日、菊田さんに同じ目に遭っちゃいましたから。私が思春期だったら悩んじゃって、どうかなっちゃってるかも知れません。それはいい歳なんで見過ごす余裕がありますけど…それに、私が下向いてると子供たちを不安にさせちゃうし…顔上げて子供たちの笑顔見てる方がいいですから

リサちゃん、この前の親子弁当の日、すっごい可愛いお弁当持ってきて、こんなこと言ったんです

『うちのお母さん栄養士の資格もってるから、料理得意なの！掃除や洗濯も大好きで暇さえあれば何かやってるの！』って」

リサ母「この子…そんな自慢したんですか…？私、この1年家事なんてろくにしてないのに…」

ハガネ「…真理衣ちゃんにはお母さんがアル中だってことバラすって、万引きを強要されたようなんです。リサちゃんにとっては、なんでも出来るお母さんが自慢だったんです…だから今の姿を誰にも知られたくなかったっていうか、守りたかったんだと思います、お母さんのこと…」

リサの母親は声を抑えつつも泣き出してしまった