6話 ともりside ページ41
私は学校を出てからずっと知らない道を歩き続けていた。塾で食べるパンとかおにぎりを買うようにって親がくれていたお金を使って晩御飯を食べて知らない駅から電車にも乗った
もう辺りは真っ暗だし携帯にもひっきりなしに電話がかかってると思う。先生たちはこれ以上教育委員会に目をつけられないようにって必死だから、私を見つけようとするはずだから
ともり「…でもどうせ、見つからないもんね」
電車まで使ったんだ。そんなの見つかりっこない。このままタヒんでやってもいいな、そうすればアイツから解放されるから
ちょうどここは海風が気持ちいい場所だった。人通りも少なくて街灯も少ないから星も綺麗に見える。あかりや美奈に見せたいと思って最後に写真くらい撮ろうと携帯の電源を入れた
ともり「…うん、いい感じ」
写真を撮って保存したあと、なんとなく着信履歴を開いてみた。親からはもちろん、塾、ハガネ、あかりにひかり、美奈…色んな人からの電話やメールがひっきりなしだった。閉じようとした時また電話がかかってきた。あかりだった。
ともり「…あかり、」
あかり『ともり!!あんた今どこ!!』
ともり「さぁ…みんなが知らない場所、かな」
あかり「ねぇふざけてないで教えてよ!母ちゃんも父ちゃんも心配してる!私だって、ひかりだって…!」
ともり「本当にね、知らない場所に来ちゃったんだよ…でもねすっごく星が綺麗なんだ。あとで写真送ったげるね」
あかり「ともり!それどこなの!?」
ともり「ねぇ、あかり。…私、あかりがお姉ちゃんで良かったなぁって思ってるよ。こんな妹で、ごめんね。…ひかりにも伝えておいて。こんなお姉ちゃんで、ごめんねって。…さよなら」
そう言ってまだあかりが何か言っているけど私は電話を切った。ふぅ、と一息ついてメール機能を使って写真を送った。美奈にも。そのまま写真を少し眺めて、電源を落とした。電源を落とす前の時間は、20時55分だった
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な〜ちょ(プロフ) - とても楽しく読ませて頂いてます!これからも応援してます。 (2021年9月16日 0時) (レス) id: e921f77d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水月 | 作成日時:2021年9月15日 21時