トモスアカリ2 (ページ34)

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10話　ＮＯside ページ34

「…先生？」

ハガネ「…どう？気分は」

愛梨「大丈夫」

ハガネ「れもんちゃんが心配して、先生に知らせてくれたの。れもんちゃん、泣いてたよ。…なんでこんなことしたの？」

愛梨「…私、壊しちゃったの」

愛梨が話し始めた時、愛梨の母親が病室に着いて扉を開いた。塩田と目が合って気まずそうにしていたが愛梨の声をその場で聞いた

愛梨「私が生きてても…誰も喜んでくれない。私は…邪魔な子なの。お母さん、時々1人で泣いてる。私がいるせいで好きな人と一緒に居られない…いつもそうやってお母さんの幸せ、壊してるの。…だから」

ハガネ「自分がいなければ、お母さん、幸せになれると思ったの…？愛梨ちゃんがﾀﾋんで、お母さんが幸せになれるわけないじゃない…！お母さんだけじゃない。れもんちゃんやクラスのみんなだってそうだよ。心にできた傷は、一生治らないんだから。
愛梨ちゃんがﾀﾋぬのは勝手だよ？でもね、残されちゃった人達は、その全てを背負って生きていかなきゃいけないの。
だって、ﾀﾋんだ人には、もう、二度と文句言えないんだもん…！怒ることだって出来ないんだもん。
それでもあなたが、何も感じないって言うなら…好きにすればいい。勝手にﾀﾋになさい。
生きていなきゃ、生き続けていかなきゃ分からないことって沢山あるんだよ？」

ハガネは泣きながら愛梨に訴えかけた。それを聞いて愛梨も静かに泣き出した。塩田が後ろを振り返ると愛梨の母親も、泣いていた

塩田「…愛梨ちゃん、抱きしめてあげないんですか」

エリ「私に…そんな資格あると思う？」

塩田「あるに決まってるじゃないですか…！貴方は母親なんですよ」

そう言って塩田は半強制的に愛梨のところへエリを連れ出した。急に現れた母親に愛梨は驚いている

愛梨「お母さん…」

エリは何も言わずに泣きながら愛梨のことを抱きしめた。戸惑いながらも愛梨は抱きしめ返した

愛梨「お母さんっ…お母さん…！」

―――屋上

エリ「私…周りの反対を押し切って愛梨を産んだの。愛梨の父親には、別に家族が居たから…
後ろ盾になってくれる人も、助けてくれる人もいなかった。でも、悲しみ苦しみは人生の花だって言い聞かせて、恋愛や子育てに全身全霊を捧げてきたの。
でも…改めてわかった。
愛梨がいなくなったら…生きてる意味なんてない。
あの子は…私の1部だもの」

そうエリはハガネに向かって告げた