9話 NOside ページ33
結局1晩明けて少し辺りが明るみ始めた頃、愛梨は近くの古い工場で見つかった。致タヒ量ではなかったが睡眠薬を大量摂取したことが原因で意識不明となり病院へ搬送された
塩田「…芳賀先生、とりあえず校長と先崎先生には連絡しときました」
ハガネ「ありがとう…」
塩田「…大丈夫、ですか?あんな取り乱した芳賀先生見たの初めてだったから…」
ハガネ「ちょっとね…思い出しちゃって」
塩田「何をですか?」
ハガネ「…小学生の時、私、すごく仲のいい友達がいたの。その子…あっちゃんって言うんだけど小さい頃から美人で大人しくて…乱暴者の私とはまるで正反対の女の子だった…
( あっちゃん『いねちゃんとはなんでも話せるし、なんでも合うよね!』
芳賀『うんっ!』)
でもなぜか…すごく気が合ってね
( 芳賀『私たちが違う人間の体に入ってるのが不思議な気がする!』)
そんなあっちゃんがある日、急に元気無くして…理由を尋ねたら…
( 芳賀『どうしたの?』
あっちゃん『…お父さん、殴るんだ』
芳賀『え…?』)
あっちゃんのお父さん…教師で、私たちの通ってた学校の教頭だった
( あっちゃん『お母さん、私のために我慢してるの。お父さんに殴られて血だらけになっても我慢してる。…タヒのうかな…。…いねちゃん、私がタヒねばお母さん自由になれるかな?』
芳賀『…あっちゃん!だめ!だめだよそんなの!私は味方だよ!なんでもするからね!いつでもそばに居るから!』)
私、何とかしなきゃって先生に相談したら…先生黙り込んで、私を避け始めた。きっと…暴力は続いたんだと思う
あっちゃん…キレたり、泣いたり繰り返すようになっちゃって
( あっちゃん『このくま、いねちゃんにあげる!』
芳賀『どうしたの、急に…これ、あっちゃん大事にしてたのに…。…もらえないよ、いらない』
あっちゃん『…嘘つき』
芳賀『え?』
あっちゃん『何でもするって言ったのに、そばにいるとか嘘じゃない!口ばっかりじゃない!ほんとは私の事なんてどうでもいいくせに!』)
どうしていいのか、わからなくなった。私、何も言えなくなって…彼女を…避けるようになった
それからしばらくして、あっちゃん…描きかけの絵を置いて、パレット広げて…市役所の屋上から飛び降りたの。ちょうど、写生大会の時期だったの
あっちゃんは…すごく、お母さん思いだった。だから…お母さんを苦しめないために…それがすごく辛かった。悔しかった」
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な〜ちょ(プロフ) - とても楽しく読ませて頂いてます!これからも応援してます。 (2021年9月16日 0時) (レス) id: e921f77d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水月 | 作成日時:2021年9月15日 21時