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7話 NOside ページ31

―――れもんの通う塾の前



塾終わりのれもんが帰ろうと外に出ると近くの電信柱にもたれている愛梨がいた


れもん「愛梨、ちゃん…?」


愛梨はれもんに事の詳細を説明して2人で港に向かった。ちょうど辺りも薄暗くなってきていたのでちょうどいいと愛梨はカバンから何個もの手持ち花火のセットを取り出した


愛梨「これ、去年の夏お母さんに買ってもらったの。でも結局お母さんの仕事が忙しくて…」


れもん「…いいの?」


愛梨「何が?」


れもん「私なんかと、そんな大事な花火…」


愛梨「れもんちゃんだから一緒にやりたいの」


そして2人は誰にも邪魔されることなく2人っきりで花火を楽しんだ


れもん「わぁきれい!」


愛梨「ほら、れもんちゃんも!」


れもん「すご〜い…!」

愛梨「綺麗だね!」



……

………


れもん「…愛梨ちゃん、あのね、私ね、…」


愛梨「れもんちゃん、ありがとう」


れもん「え…?」


愛梨「私の事庇ってくれてありがとう。お母さんの記事、黒板に貼ったこと、もう気にしてないよ。だから…れもんちゃんも忘れて?」


れもん「愛梨ちゃん…ごめんね、あんな酷いことしてごめんね…」


愛梨「ほんとにもういいってば」



そんな話をしているうちに最後の線香花火が落ちた。ロウソクも消え、辺りは一瞬で真っ暗になった







―――


れもん「愛梨、ちゃん…?…愛梨ちゃん!?」


れもんがハッと顔を上げると横にいたはずの愛梨はいなくなっていた


れもん「愛梨ちゃん!!?」


れもんは慌ててハガネに電話をかけた。しばらくしてハガネとマナがやってきてれもんに声をかけた


ハガネ「れもんちゃん!」


れもん「先生…!」


ハガネ「ねぇ愛梨ちゃんと連絡取れた?」


れもんは首を横に振った


れもん「携帯に連絡してもでない…」


ハガネ「ねぇれもんちゃん、愛梨ちゃんがどうしていなくなったのか心当たりある?」


れもんはその時、少し前の放課後に愛梨が定規で手首を切ろうとしていたことを思い出した


れもん「愛梨ちゃん…自分でタヒのうとしてたの…自分は邪魔な子だからって」


マナ「邪魔?」


ハガネはれもんのその言葉を聞いて風邪を引いて寝込んだ時、「タヒんでもいいと思った」と言った愛梨のことを思い出した


れもん「愛梨ちゃんがタヒんだらどうしよう…!?先生、私怖い!愛梨ちゃんがいなくなるのが怖い!」


ハガネ「大丈夫よ、れもんちゃん。愛梨ちゃんは先生がきっと見つける」

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な〜ちょ(プロフ) - とても楽しく読ませて頂いてます!これからも応援してます。 (2021年9月16日 0時) (レス) id: e921f77d59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水月 | 作成日時:2021年9月15日 21時

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