トモスアカリ2 (ページ30)

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6話　ＮＯside ページ30

愛梨母「私は私なりに愛梨を愛してる。でも私には自分だけの人生を生きる時間が必要なんです」

ハガネ「そういう親のせいで毎年どれだけの子供たちが亡くなっているか知っていますか？中野さんだって、愛梨ちゃんを放ったらかしにしたからこうなったんじゃありませんか！？これじゃ親としてあまりにも無責任です！」

ハッとした愛梨の母親が愛梨の部屋の方を見ると愛梨が扉を支えに立っていた

愛梨母「あ…ごめんね大声だして。はい、部屋で休んでて。…今日はもう帰ってください」

―――学校、屋上

ハガネは気持ちを落ち着かせるように誰もいない屋上で素振りをしていた。するとれもんがやってきた

れもん「…先生！」

ハガネ「ん？どうしたの？」

れもん「今日、愛梨ちゃんは…？」

ハガネ「風邪で具合が悪いから休んでる。何か気になることでもあるの？」

れもん「私…愛梨ちゃんに酷いことしちゃったこと、どうやって謝ればいいのか、わからなくて…」

ハガネ「時間が経てば経つほど謝れなくなっちゃうことってあるよね。そういう時は…」

するとハガネは竹刀を置いて腕を上げて大の字に寝転びながら「降参です！」と言った

ハガネ「もう好きにしてくださいって素直になっちゃうの。そうやって1歩前に踏み出せば見えなかった景色も見えてくるんじゃない？」

れもんは何も言わずにハガネの横に寝転んだ

―――愛梨の家

愛梨母「はぁ…世間って不思議。ちょっと前まで自由奔放に生きてるところが魅力的、なーんて言ってたのに」

愛梨「お母さん…」

愛梨母「大丈夫よ。私の本業は本を書くことなんだし。それに絶対このままじゃ終わらない…終わってたまるもんですか！」

そう言いながら愛梨の母親は部屋を出ていき、置いていったカバンの中からはまた睡眠薬の入った袋が見えた