トモスアカリ2 (ページ21)

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6話　ＮＯside ページ21

そしてハガネが指定されたカフェに向かうと既に席に座って、横には少し大きめのトランクを持っている和音の母がいた

ハガネ「すいません、おまたせしました…」

諒子「あ、いえ、わざわざすみません…」

ハガネ「あの、これからどちらかにご旅行ですか？」

諒子「…先生、私を匿ってもらえないでしょうか」

ハガネ「匿う？」

諒子「実はこの7年間、夫に離婚を申し出ては拒否されているんです。和音がやったことも夫の真似なんです…！」

ハガネ「ご主人の真似…？」

諒子「夫は気に入らないことがあると突然キレて、ベランダの手すりに上がるんです…！私も今までは夫にﾀﾋなれるのが怖くて思いきれませんでした。でももう限界です！」

ハガネ「あの〜…加茂さん？」

諒子「！…もしかして、先生も言われたんですか、？私が心の病気だって」

ハガネ「あ…ちょっと、」

諒子「…10年前に1度、安定剤を処方してもらった事があるだけです。でもそれが夫には武器になってしまって…私には…信じて貰えるような証拠をお見せすることができません。夫は証拠を残さないんです…！でも本当に、離婚するならﾀﾋんでやるって、手すりに上がるんです…！」

ハガネ「でもそれって、愛情なんじゃないですか？好きだからほら、捨てないで、って…」

諒子「結婚して以来、所謂結婚生活は1度しかありません。キレるときは理屈抜きだし何の説明もないんです。それでも…愛情って言えるんでしょうか…？」

そこでハガネは和音が言っていた「叱られたのは…ママ」という言葉を思い出した

ハガネ「あの…でもどうして私に相談を？」

諒子「胸に詰まってることがあるなら言ってくれって先生の言葉が…なぜだかはっきり聞こえて…本気にしても許されるような気がして…」

そしてハガネは諒子を家に匿うことを決めた

一方、夜、和音の家では―――

和音「パパ…ママの携帯、繋がんない…ママ、どこ行ったの…？」

その父親の手には「さようなら諒子」とだけ書かれた紙があった

和音父「…お前だよ、和音…お前のせいだ」

そう言われた和音は恐怖で立ちすくんだ

和音父「お前の成績が悪いから…ママはお前に絶望したんだよ…ぜーんぶお前が悪いんだよ…」

和音は「ごめんなさい…ごめんなさい…」と何度も呟いた