構って 【伊黒小芭内】 ページ43
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伊黒 「 …お前は何度言ったら分かるんだ、甘露寺と2人で遊びに行くなと何度も … 」
…うーん、何だか 釣れないよなぁ。
ずっとずっと、蜜璃の話ばっか。
ぼくは?ぼくは?ぼくは?
伊黒 「 弱い癖に、タラシだからなあ … 」
タラシってなんだよ。おい。
伊黒の中のAってなに??
ただの、暇つぶし?ただの、お友達?
違うよね?? ちゃんと、仲間だよね??
あー、なんかいっその事傷つかない媒体になれたらなぁ。
…例えば、そうだなぁ伊黒の羽織とか、伊黒の手拭いとか。
うーん、でもそれはいつかは捨てられちゃうか。
ぼくの支配領域に伊黒は居ない。
ぼくは伊黒に支配領域にいるのに。
…ぼくが、伊黒に抱いているこの気持ちを 知らないみたいに過ごすのは出来るはず。
ぼくの気持ちをぼくが無視すればいいだけだから。
簡単だよね。
『 あっそ。話そんだけ?ぼく帰るね 』
伊黒 「 はぁ…? 」
はは、驚いてる驚いてる。
はぁ、可愛いなぁ。
伊黒に背中を向けて歩き始めれば、後ろから飛んでくる罵倒の数々。
馬鹿だとか、阿呆だとか、助平だとか、
…悪口のレベル低すぎだろ。
ああ、やっぱり愛しいなあ。
『 ごめんね、伊黒 』
やっぱり無視して帰るなんて無理。
もう勢いに任せて、伊黒を抱きしめる。
伊黒 「 は、離せ、…ッ 」
ぎゅうと強く抱き締めれば、伊黒はあからさまに嫌がって暴れる。
伊黒はどれだけぼくに抱き締めれても慣れないんだよねぇ。
まあ、そこが可愛いんだけど。
伊黒がぼくの支配領域に居なくても、どれだけ悪く言われても、まぁいいや。
ずっとぼくの仲間で居てよね。
『 好きだよ、伊黒 』
本当に怖いのは孤独じゃない。
断絶。
だからぼくは、伊黒にこれ以上は求められない。
甘露寺と仲良くするんだよ、約束。
『 じゃあね、伊黒 』
禁断症状が出る前にこの気持ちに決着を付ける。
その時は、またぼくのこと叱ってよ。
'' なんで無理すんだ ''
ってさ、また前みたいに。
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作者名:雛丸 | 作成日時:2020年5月26日 0時