#2 ページ2
.
.
遡ること2年前の春
.
短大を卒業し、就職活動を必死にやっていた私。
しかし、残念すぎることに内定は0
仲の良い友人達は私に気を使っていたのか、内定が決まったと私の目の前で喜ぶことはなかった。
それが当時の私には結構ショックだったりしたんだけどね…
そんな時、私の運命を変える大きなチャンスがやってきた。
.
.
『あのね〜こっちはアンタと違って必死に職を探してるってのに、なんでアンタは私を飲みに誘うかな〜』
こんな私を飲みに誘ったのは、保育園からの幼なじみである佐野玲於。
今では、GENERATIONSっていうグループに所属してて、芸能人の仲間入りしてる。
「内定0のお前のために誘ってやったってのに」
ニカッと笑いながら内定0を強調してくるあたり、相変わらずって感じ。
こんなやつにファンなんているのだろうか。
イジワルすぎるよ?冷たいよ?塩対応だよ?
ファンの人に是非お伺いしたい、「佐野玲於の好きなところ」をね。
.
.
そんなことを思いながらも
大人になった私達でも何でも言い合える関係性は健在だと感じる。
酔ってきた私は
『私ってなにもかもがいけないのよぉぉ…』
『私もうね悟った、社会が私を必要としてないこと…』
玲於にさんざん嘆きまくる。
「分かんねぇじゃん、な、元気だせって!」
玲於は困ったように笑いながら私を諭す。
玲於なりに頑張って励ましてくれてるのがひしひしと伝わってくる。
.
.
2人とも酔いがいい感じにまわってきたころ
玲於は何かを思い出したようにハッとした。
『どーした?』
芸能人はハードスケジュールだからもう家に帰る時間だったり?
その時の私はそんなことを考えていた。
「あのさ、今俺らを担当してくれてるスタイリストさんが出産を期に仕事を辞めるみたいで、新しいスタイリスト探してんだわ」
へぇー、スタイリストさんかー
私もスタイリストになれるくらいのセンスがあれば今頃内定のひとつやふたつ貰ってるのかなー。
「それでさ、お前が良かったらなんだけどさ、俺らのスタイリストにならない??」
え、、は???
ちょっと理解できないんだけど。
『え、玲於。スタイリストさん舐めてる?』
ちょっと笑いながら言った私に対して玲於は
「舐めてねぇーよ!」
そう言いながらゲラゲラ笑い出す。
.
.
私の頭にはたくさんのハテナマークが浮かんでいた。
.
.
19人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こもれお | 作成日時:2017年11月4日 23時