#1 ページ1
.
.
「なによその顔〜、また何か言われたの??」
三代目さんのツアー衣装の最終チェックをしている最中
優しく微笑み私を心配してくれてくれているのは、先輩スタイリストの奈瑠美先輩。
「ちゃんと言い返せっていつも言ってるでしょ〜」
そうやって私にアドバイスしてきたのは同期であり、私と同じGENEを担当している紗奈。
サバサバ女子の彼女らしいアドバイスだ。
今回で何回目になるか分からない程同じことを言われ続けている。
つまり、1度もアドバイス通りに行動できてないってこと。
.
奈瑠美先輩は1人で三代目さんのスタイリストをしていて、たまにGENEのスタイリストである私達もお手伝いに回る。
1人で三代目さんを担当されてるなんて尊敬どころの話じゃない。
奈瑠美先輩が5人ぐらいいるんじゃないかって紗奈と話してるぐらい。
.
「まぁ、Aが言い返せるようになるなんて無理な話よね」
そうやって奈瑠美先輩がクスッと笑いながら言うと、
「確かに言い返してるAなんて想像出来ないですよね〜」
なんて言いながら、ちょっとバカにしたように笑う紗奈。
『もぉ〜』
『言い返せないっていうか、ちょっと事実なところもあるから認めちゃってるみたいな…』
.
こんなに私を悩ませてるのは何なのかというと
それは、私が《コネ入社》だという事。
19人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こもれお | 作成日時:2017年11月4日 23時