dryflower 〜 sho.hirano 〜

47 ページ47

.







｢神宮寺さんに聞いたの？｣





平『まぁ、そう』





｢そっか、たまたまバイト帰りに会ってさ、、｣





平『ほんまあいつ、、 (笑)』





ほんとに不思議な人、
目の前に現れたと思ったらパッと跡形もなく消えていく





平『……会いたい』





重い空気の中に放たれた優しくて甘い言葉に
酔いしれそうになる





｢私も｣





素直な言葉がストレートに胸に突き刺さる





平『なぁ』





誰かに愛されることがこんなにも幸せなことだって、
身に染みて感じるこの感覚がなんだかクセになる





平『大好きやで』





この人の隣じゃないと生きていけないし
きっと息も吸えないんじゃないかって思うほど虜で、





でも紫耀はずっとって言葉が嫌いだから、





永遠を誓うことが苦手だから、





｢私もだいすきだよ、しょう｣





この言葉を伝えることで精一杯だった





｢あのさ｣





平『ん？』





｢家ついて寝る準備したらさ、また電話していい？｣





優しい笑い声が耳に届き
頭の中をこだまし身体中を駆け巡る





平『ふふ、ええよ』





この笑顔の隣にいれれば、
この笑顔を1番近くで眺めていられれば、


私はもう何もいらないんだけどね。







.

48→←46

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す