dryflower 〜 sho.hirano 〜

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｢お疲れ様でした｣





今日はなんとなく買い物がしたい気分になって。





家に帰る前に洋服でも見て帰ろうかなって思いながら
お気に入りの音楽を流そうとイヤフォンを
耳につける





｢さむっ…｣





思わず身震いをすると
イヤフォンの隙間から入ってくる私を呼ぶ
少しハイトーンな声





廉『Aちゃん！』





｢あれ、廉くん？｣





廉『やっと追いついた』





｢どうかしました？｣





全力で走ってきたのか、
ハァハァって肩で息をするのを見て
なんだか可笑しくなって笑ってしまう





廉『一緒に帰ろっかなって思って』





え？それだけ？って思ったのは胸にしまいこんで
スラっとした廉くんの隣に並んで歩いた





｢わざわざ走ってきたんですか？(笑)｣





廉『だってAちゃん歩くの早いから(笑)』





ゆったり流れる時間に身を任せて
なんとなく世間話を繰り広げる





廉『今日は駅の方行くんやな』





｢私だっていつも入り浸ってるわけじゃないです (笑)｣





廉『まぁそれもそうか (笑)』





紫耀とはまた違った雰囲気のかっこよさに
なんだか不思議な気持ちになって


隣の廉くんを見上げると
ん？って顔を覗き込まれて思わず勢いよく逸らした





｢あの、廉くんのお家ってこっちの方面じゃないですよね？｣





廉『え？なんで？』





｢前に一緒に帰ったとき引き返すところ見たから、、｣





廉『あー (笑)』





そう言いながら思い返すのは
ふたりともきっと同じ光景で

クスッと笑う廉くんに私まで頬が緩む





廉『バレた？(笑)』





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