xoxo ~ Ren.N ~

29 * ページ29

.








「ねぇ」


廉「ん？」


「私たち付き合ってるんだよね？」


廉「不安？」


「そりゃね…」







永瀬と付き合ってるなんて

夢でも見てるんじゃないかって、

いつか呆気なく覚めちゃうんじゃないかって、

そう思い始めたらキリがなくて

怖くて仕方ない。







廉「大丈夫。ほら、俺の目見て？」







私の前に座り直して、

真剣に向き合ってくれるのが嬉しくて

思わず強ばっていた頬が緩む







「ありがとう」







だんだんと永瀬の端正な顔が近づいてきて

こつんと優しく額と額がぶつかった







廉「A？」


「ん？」


廉「好き」


「私もだよ」







廉「俺さ、」







なんとなく薄らと涙が滲んでいる

永瀬の目を見て不安になる







「どうしたの？」


廉「普通に人を好きになって、普通に誰かと付き合って、そんな生活来やんのやと思ってた」







廉「誰かを好きになるなんてやめよう、そんな気持ち早く忘れた方がええって、ずっと言い聞かせてた」







きっと彼はそうすることで

今まで自分を守ってきたんだ。

傷付かないように、苦しまないように。







「今は私がいるよ」


廉「………」


「もう永瀬だけが抱え込む必要なんてないから」







強がろうとするところも、

変に格好つけようとするところも、

どんな永瀬も私は大好きなんだけどね。







でも一番大好きなのは、

その綺麗な顔をクシャクシャにして

笑っている姿だから。







ずっと笑っていて欲しい、

その笑顔で不安なこと

全て吹き飛ばして欲しい。







.

30 *→← 28 *

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す