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ふわ、と小さく欠伸を零しながら少し煩いコーヒーメーカーのスイッチを入れる。朝から昨日アップされた動画をタップする。
これで伊沢さんから課された仕事、つまり今までの動画や記事は全て見たことになる。思ってた以上に時間がかかってしまったけれど一応今月中という期限には間に合った。
コーヒーを一口含めば、それはかなり熱くてすぐに飲み込む。喉元過ぎれば熱さなんとやら…という言葉があるけどあれは嘘。喉を過ぎたってなんだか胸のところが熱い。
オフィスに出勤し、全て見終わった旨を伊沢さんに伝えてる。伊沢さんはニコニコしながら私に言う。
「それじゃあ早速編集作業をお願いしようかな」
「はい」
「今日の午後、撮影予定が3本あるからそれをどう編集するか考えながら見学してください」
「わかりました」
「一応最初なので1本につき2日ほど時間を与えますが、追々は1日で仕上げられるようにしてほしいです」
私がわかりましたと頷けば、満足そうにする伊沢さん。あれ、というか午前中は何をしたらいいのだろう。聞こうとすれば、伊沢さんは察知したのか先に口を開く。
「午前は会議ですから。Aさんも参加してほしいです」
「えっと、はい、具体的には何の会議ですか」
「これからの方針とか、今までの進捗とかかな」
いきなり会議に出席となるとやはり焦るが、私は特に何もしなくても大丈夫とのことだった。初回なのでだいたいの雰囲気を掴むのが目的らしい。とは言っても会議は良い思い出がない。正直憂鬱だった。気分が下がると嫌なことばかり思い出す。撮影現場を再び見学して、また不安な気持ちに飲まれたらどうしようか。そんな気持ちを他所に会議はもうすぐに始まるところだった。
会議室というような堅苦しい部屋ではなく、ずいぶんラフな部屋でそれは行われた。それぞれが請け負っている企業案件の企画案だったり、これからの動画企画の傾向など、とにかく意見が飛び交う会議だった。社長である伊沢さんも結構怒られたりなんかしていて、風通しが随分良い会社だと感じる。前職ではありえない光景だった。ボケっとしていると福良さんが突然私に話を振る。
「Aさんは何かある？」
「えっ」
何もない、とは言えない空気。それでも何の準備もしていない、当たり前だけど今まで発表してた人みたいにパワポなんて作っていない。それでも何かあるだろうと期待されている感じ。
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月華(プロフ) - 初めまして。月華と申します。いつも更新を楽しみにしています。これからまた山本さんもなんとなく加わって、関係性がどうなっていくのか？楽しみにしています。 (2020年9月7日 22時) (
レス) id: 7021cebe65 (このIDを非表示/違反報告)
かもめ(プロフ) - 亜杞さん» わーん！誤字！ご指摘ありがとうございます、気を付けます。 (2020年9月3日 2時) (レス) id: 87fffe4b37 (このIDを非表示/違反報告)
亜杞(プロフ) - 初コメント失礼します。“４”の中の言葉で“誘いそう”が“誘いさう”になってしまってます。素敵な文章ゆえに気になってしまって。。。今後も更新されるのを楽しみにしています。失礼しました。 (2020年9月3日 1時) (レス) id: 4b3f3a4234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かもめ | 作成日時：2020年8月26日 19時
