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相変わらずコンペには参加していて、なんとなく夜中まで作業していたら午前4時になっていて、これは寝たら起きれないぞというボーダーを超えてしまった。ここまで来たらめちゃくちゃ朝早く出勤してやろうと思い、一番乗りを目指した。
外の風は涼しいというより寒さを感じさせ、夏の面影はなくなりつつある。
二人きりの時は名前で呼んでなんて言われたけれど、あれから二人きりになる機会はそう無く、最早本当に名前で呼んでもいいのかすら怪しいところまできてしまったなぁ。
おはようございますと挨拶をしながらオフィスのドアを開けても、誰もいない。当たり前だ、まだ午前6時なんだから。
珈琲を入れて、ソファで寛ぐ。意外とここのオフィスは広い、いつも色んな人が出たり入ったりするから改めてオフィスでゆっくりするというのは初めてだった。静かすぎて眠気を誘う、いっそ誰かが来るまで寝てしまおう。そう決意して、瞼を閉じたとき扉が開く音がした。
「エッ、はやくない？」
その声は福良さんだった。はやくない？とは、まぁきっと私が出勤するのが、という意味でしょう。正直、そのセリフは私も言いたい。だってまだ7時にもなってないですよ。いつもこんな時間に来てるの。
「ちょっと早起きしちゃったんですよ、福良さんだって早くないですか」
「俺も早起きしちゃって」
オールしたなんて社会人らしからぬ行動はあまり言いたくなくて咄嗟に嘘を言ってしまったが、バレてはいなさそう。福良さんにも珈琲を入れて渡す。思い出したように福良さんが私言う。
「今度クイズノックでグッズを販売しようと思っているんだけどTシャツデザインとか、キーホルダーデザインとか考えてもらってもいいかな」
「えっ、私でいいんですか」
「えっ、他にいる？」
「志賀くんとか」
「志賀くん、学祭準備もあって忙しいでしょう。それに俺はAさんにこの仕事頼みたいから」
始業時間に詳細話すから、と言うと福良さんは撮影部屋のソファに横たわって寝てしまった。もしかしたら福良さんも私と一緒で、寝てなかったのかな。私も寝たいと思っていたのに心臓のドキドキが止まらなかった。
どんなコンペよりも緊張する仕事が来てしまった。次のコンペはどれにしようかと考えていたのに。それと同時に、もしかしたらこの仕事が "納得できる何か"になり得るんじゃないかと思った。
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月華(プロフ) - 初めまして。月華と申します。いつも更新を楽しみにしています。これからまた山本さんもなんとなく加わって、関係性がどうなっていくのか？楽しみにしています。 (2020年9月7日 22時) (
レス) id: 7021cebe65 (このIDを非表示/違反報告)
かもめ(プロフ) - 亜杞さん» わーん！誤字！ご指摘ありがとうございます、気を付けます。 (2020年9月3日 2時) (レス) id: 87fffe4b37 (このIDを非表示/違反報告)
亜杞(プロフ) - 初コメント失礼します。“４”の中の言葉で“誘いそう”が“誘いさう”になってしまってます。素敵な文章ゆえに気になってしまって。。。今後も更新されるのを楽しみにしています。失礼しました。 (2020年9月3日 1時) (レス) id: 4b3f3a4234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かもめ | 作成日時：2020年8月26日 19時
