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半日間クイズ_sgi ページ6

社畜ちゃん[sgi]主です



12時間クイズが開催される前日から私はオフィスに篭っていた。提供企業の商品を常に見える位置に綺麗に置いたり、席を設置したり、カメラの位置を設定する。それはもちろん私だけじゃなくて福良さん、須貝さんとも調節する。
12時間クイズも初回に比べたらお手の物になって、今年もこの季節が来たねなんて始まる前から感慨深い。
最終調整を何回も繰り返す。何が最終やねん、と突っ込む須貝さんの気持ちも分かる。できたと思っても改めて見たら少しのズレが気になったり、人が入ると雰囲気が変わり席の位置も変えた方がいいんじゃないかと不安になる。機材の設定、照明の位置、問題数やタイムキーパーは本当にこれでいいのか、考え出したらキリがないけれど12時間も生放送するため妥協はできない。時間が長ければ長いほど僅かなズレは後々大きな歪みになってしまう。

準備終わった〜と福良さんがソファにダイブしたころには日付は優に超えていて、何ならもうそろそろ伊沢さんぐらいなら出勤してきそうな時間。あの人こう言う時の入りはめちゃくちゃ早いんだから。

「ねんむ、ちょっともう私眠すぎます、瞼開かん」
「わかる、入り遅めでめちゃくちゃ良かったと思ってる」、
「俺朝からだ…」

とりあえず少しでも福良さんには寝てもらうため別室に誘導する。ちゃんと私が起こしますからね。

「俺も寝ようかな」
「私起こすし、寝てもいいよ」
「えAちゃん寝ないの、あなた眠すぎて瞼めちゃくちゃシワシワよ」
「うるさい、起きれなかったら怖いでしょ」
「俺起こしてあげるし寝よ、今ならAちゃんでもまだ3時間は寝れるんだから」

あれよあれよと私の手を引いて福良さんがさっきダイブしていたソファに座らされる。須貝さんも隣に座れば、有無を言わさずに私の頭は須貝さんの膝の上。横になった途端、重力を感じる。今日の重力、重たくないですか。g=15くらいありそう。そんなにあったら死ぬか。
いやそれよりもやばい、まじで寝る。私には福良さんを起こすという使命が、無理だ、須貝さん本当に起こしてよ、言質とったんだから。
気づけば私は眠りに落ちていた。寝過ぎた!と思うのが先か、目を覚ましたのが先か、あやふやな状態で目に飛び込んできたのは携帯で写真を撮る福良さん。上を見ればしっかりポーズをとる須貝さん。

「あ、起きちゃった」
「ほんとだ〜まだ時間あるのに」
「えっ…と?」

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作者名:かもめ | 作成日時:2020年8月24日 11時

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