第15話 一緒に居たい人 ページ19
「下ばっか見てねぇで俺を見ろよ」
その言葉が聞こえた瞬間、思わず顔を上げてしまった
びっくりした
でも言われたことは守らないと…
「……」
……やっぱり駄目……私には天馬さんは眩しすぎる
店「何をお頼みになりますか?」
いつの間にか注文を取りに来ていた店員さんの声で我に帰る
天「みたらし団子ありったけ持ってこい」
「え……」
店「か、畏まりました」
みたらし団子…
天「で?お前はどうするんだ?」
……あ…一人で食べるんですね……
「……わらび餅で…」
店「はい、少々御待ちください」
店員さんは奥へ消えていった
……また二人……
天「……」
「……」
……話せない
昔からこうだった……
人と喋れなくて、自分の気持ちも伝えられなくて
結局皆に無視されるようになって…
いじめの対象になった
智美が居なければ…今頃私は……
店「お待たせいたしました」
「!」
みたらし団子が山のように盛られたお皿とわらび餅を抱えた店員さんが戻ってきた
机に置かれたみたらし団子の山のせいで天馬さんが見えない
「…すごい量ですね」
山の向こうから声が返ってきた
天「お前も食うか?」
「…余ったらいただきます」
わらび餅を一つ口に入れる
甘すぎず、程好い口当たり
天馬さんはみたらし団子を黙々と食べている
その様子を少し…ほんの少しだけ…可愛いと思う
天「…何だよ、やっぱ食いてえのか?んん?」
私の視線に気付いた天馬さんはそう言った
「いえ…そう言うわけじゃ…」
言い終わる前に、口に勢いよくみたらし団子が突入してきた
天「遠慮すんじゃねぇよ」
天馬さんは悪戯っ子のような笑みを浮かべて御茶を啜る
「……」
口がいっぱいで喋れないのでとりあえずみたらし団子を食べ進める
美味しい……ここは良いお店……
天「…お前、何か幸せそうな顔してんな」
ふとそんな声が聞こえた
「……そうですか…?」
天「あぁ、変態メガネ男の言ってた通り、いい表情になってきた」
「……ありがとうございます」
何だろう……天馬さんに褒めてもらえると…何て言うか…
「嬉しいです」
…あっ……私……思ったことそのまま……
天「…ははっ。そうか」
天馬さんは笑ってまたみたらし団子を口に入れた
(…楽しい…)
…心からそう思えた
ここ最近色々ありすぎて…頭が混乱していたけど…
この人と居ると…そんなことも忘れてしまう…
天「食い終わったら、どっか面白そうな所でも行くか」
「…はい」
…智美……私ね…
…“一緒に居たい人”が出来たよ…
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藍月(プロフ) - ★ホームランバッター☆さん» さっきも言うた通り私は描いてくれる、というだけで嬉しいですから!自分のことも大切です!何時でも待ちます! (2017年4月28日 20時) (レス) id: f0544b0ee0 (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 藍月さん» 藍月様の寛大な御心に感動です。・゚・(ノд`)・゚・。 (2017年4月28日 20時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
藍月(プロフ) - ★ホームランバッター☆さん» いえいえ!描いて貰う側なので、何時でも待ちますよ! (2017年4月28日 19時) (レス) id: f0544b0ee0 (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 藍月さん» イラストお待たせしてすみません(。>д<)実はイラストを描くアプリが誤作動でアンインストールになってしまいまして……もう一度最初から描き直しておりますので、もう暫くお待ちいただいてもよろしいでしょうか( ノ;_ _)ノ本当にすみません (2017年4月28日 18時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - つーちゃんさん» ありがとうございます!今後もどうぞよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年4月28日 18時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時:2016年12月11日 19時