第5話 君の過去と君の力 ページ9
団長との電話を終えたフレアは、勢いをつけてベッドに飛び込んだ
「フカフカだ〜♡」
さっきまで人を殺していたとは思えないほど無邪気な笑顔でそう言う
ジョ「また寝るの?いったい君は一日のどれくらいの時間を睡眠に費やしているんだい?」
呆れてそう言うと、彼女はまた笑った
「知ぃ〜らない!」
ジョ「っ……はぁ…」
その笑顔は反則だってば…
「二時間くらい寝たら起きるから〜」
ジョ「了解」
もう…妹より手が掛かるなぁ
そんなところが可愛くて仕方がない
「zzzzzz……」
もう寝てしまった
ジョ「……」
眠る彼女の顔に貼り付いた黒い眼帯
あの下にあるものが何か…僕は知っている
ジョ「…起きてないなら…大丈夫だよね…」
眼帯に指をかける
彼女が起きないように、そっとソレをずらす
そして目に入ったのは…“あの傷”…
左側の大きな傷は父親が…右側の小さな傷は母親が付けた
彼女の異能力を恐れて…二度と目覚めさせないために…
【氷帝の惑星】(Ice planet)
それが彼女の異能力だ
だがそれは…彼女の持つ“一つ目”の異能力だ
彼女の真の異能は、両目が揃って初めて覚醒するのだと、団長は言っていた
そしてその異能が覚醒した時が…ギルドの終わりだと…
ジョ「……どうやら君がその身に宿した力は…かなり重いもののようだね……」
眼帯を戻し、ベッドを離れようとすると
「っ…嫌っ!!」
突然彼女が僕の手を掴んだ
ジョ「!!」
凄い力だ…まるで、何があっても離さないと言うほどの…赤子が必死で母親にしがみつくような力…
「嫌だ…やめて…」
ジョ「フレア…?」
彼女は起きていたわけではなかった
酷く汗をかき、息をきらしている
「嫌っ…痛い…」
魘されている……夢を見ているのか
「ううっ……お母さん……」
僕の手を更に強く握った
「…痛いよぉ…」
空いている手で右目を抑えた
「やだ…やだやだっ…」
ジョ「っ…フレア!」
手を握り返し、名前を呼ぶが、彼女は起きない
いつも爆発したような笑顔のフレアがこんなに苦しんでいるところを見るのは初めてだった
「うっ…痛い痛い痛いっ…助けて…お母さん…」
居るはずのない母親を求めて、彼女は更に激しく叫ぶ
どうすればいい……起きてくれる気配はない
ただ手を握っていることしかできない
僕が自分の無力さを痛感していたその時…
「ジョン…」
彼女が僕の名を呼んだ
ジョ「っ……」
力任せに彼女を抱き締める
すると彼女は叫ぶのを止め、また正常な眠りに戻った
ジョ「フレア…」
でも…君の震えが止まることはなかった…
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後ろのメリーさん - 更新ありがとうございます!!とってもうれしいです!! (2018年12月9日 20時) (レス) id: eb22307f25 (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年12月9日 20時) (レス) id: fc195e5c2a (このIDを非表示/違反報告)
後ろのメリーさん - ゆっくりでいいので、更新して下さると嬉しいです( ´∀`) がんばっ下さい!!p(^-^)q 応援しています! (2018年12月9日 10時) (レス) id: eb22307f25 (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - へいへいへーいさん» お返事遅れて申し訳ありません(´・ω・`;)ジョンくん推し増えて欲しいですね!!この小説で少しでもジョンくんファンの方々に貢献(?)していけるよう頑張ります! (2018年10月26日 19時) (レス) id: fc195e5c2a (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» ありがとうございます!早く完全復活できるように頑張りますo(`・ω・ ´)o (2018年10月26日 19時) (レス) id: fc195e5c2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時:2016年11月9日 18時