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第7話 お父さん ページ11

……痛い……

生まれて初めての感覚がそれだった

殴られた痛み…蹴られた痛み…切られた痛み…

物心ついたときから、私の傍らには常に痛みがあった…

痛くて痛くて…

『あんたなんか産まなきゃ良かったっ……』

そんなこと言わないで…

お母さん…

『お前の呪いのせいで……俺達はまともな飯も喰えない』

私の…せい…?

わからない……何で私のせいなの?

ただ生きているだけなのに…

ただ……お母さんとお父さんに…笑って欲しいだけなのに……

『お前の“右目”は…もう二度と開かれては駄目だ…』

お父さん…?

『そうね……両方の“目”が二度と揃わないように…』

お母さん…?

何するの?何で……包丁を持ってるの?

『フレア……こっちへ来い』

そう言うお父さんの声が優しかった

何でかわからないけど、すごく優しかったから……私は思わず行ってしまった

嬉しかったの……お父さんに名前で呼ばれたことなんて無かったから…

ただ…嬉しかったんだぁ…

……でもお父さんは…私が側に行った途端に顔色を変えた

物凄い力で私の腕を掴み、包丁を振り上げた

それが私の顔に降りてくる動きが……とても遅く見えて……

光る刃先が瞼に触れて

皮膚を切り裂いた

刃は眼球まで届き

視界が赤に染まった

最後に涙袋を縦に切り裂いて

刃は私の顔から離れていった

痛かった

お母さんがお父さんがしたように私の目をもう一度切り裂いた

また同じ感覚…

痛い……痛いよ……

やめて……なんで……

こんなの嫌だ……こんな……こんな……

誰か………




「……ジョン」

ジョ「呼んだ?フレア」

……ジョン……

「あっ……えっとね……」
えっと……どうやって笑うんだっけ

ジョ「…だいぶ魘されてたけど…また嫌な夢でも見た?」

え……なんでわかるの?

「せいかーい!ホントに怖かったぁ!」

私…ちゃんと笑えてるかな

ジョ「……そっか……少し疲れたのかもね」

何でかな……ジョン…ちょっと寂しそう

ジョ「……ボスが君を呼んでいたよ」

「団長が?!」

急がなきゃ

ジョンに教えてもらった団長の元へ走った

日本に出発する前に積み荷を確認している人達の横を走り抜け

ゼルダ号を横切る

船のすぐ側の桟橋に、団長は立っていた

「団長!!」

フィ「ん?…あぁフレア!久しぶりだな。また大きくなったか?」

「そうですか?えへへ」

団長は優しい

私を必要としてくれる

フィ「お前は相変わらず可愛いな」

団長が……私のお父さんなの……

第8話 船の中にて→←第6話 君の背負っているモノ



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設定タグ:文スト , ジョン・スタインベック , ギルド   
作品ジャンル:アニメ
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後ろのメリーさん - 更新ありがとうございます!!とってもうれしいです!! (2018年12月9日 20時) (レス) id: eb22307f25 (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年12月9日 20時) (レス) id: fc195e5c2a (このIDを非表示/違反報告)
後ろのメリーさん - ゆっくりでいいので、更新して下さると嬉しいです( ´∀`) がんばっ下さい!!p(^-^)q 応援しています! (2018年12月9日 10時) (レス) id: eb22307f25 (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - へいへいへーいさん» お返事遅れて申し訳ありません(´・ω・`;)ジョンくん推し増えて欲しいですね!!この小説で少しでもジョンくんファンの方々に貢献(?)していけるよう頑張ります! (2018年10月26日 19時) (レス) id: fc195e5c2a (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» ありがとうございます!早く完全復活できるように頑張りますo(`・ω・ ´)o (2018年10月26日 19時) (レス) id: fc195e5c2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時:2016年11月9日 18時

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