第６話 美しさと軽薄さ ページ9
………何だ…これは…
チェ「ほらぁ、すぅっごく似合ってるよ！」
チェスはそう言って私の前に姿見を持ってきた
そこには…私の知らない自分の姿が写し出されていた
ホ「これなら、クローリー様の隣に居ても大丈夫でしょう」
黒と白が主体のドレスに、金色のパールが散りばめられている
体にピタリと合い、ボディーラインがはっきりと見えている
デザインも着心地も文句はない……でも…
「私には…似合わない」
こんな格好は今までしたことがなかった
幼い頃から、ただ強くあることだけを求められてきた
朝から晩まで修行に明け暮れ、手の豆が潰れても、皮が剥けても、爪が剥がれても、ひたすら竹刀を振らされた
組み手でも血塗れになるまで叩きのめされた
…全ては父の野望のために…
「…やっぱり、私は…」
…その言葉を言い切る前に、何者かの声によって、その場の空気はガラリと変わった
？「あっれ〜？とぉっても可愛い女の子がいるねぇ」
扉の方から聞こえた軽薄な声に、３人とも振り向く
そこには…
「…フェリド…バートリー」
第７位始祖である、フェリド・バートリーが立っていた
ホ「……いつの間にいらしていたのですか？フェリド様」
ホーンは表情を変えずにそう言うが、チェスに関しては明らかに怪訝そうな顔をしている
フェ「ごめんねぇ、ちょっと２人きりにしてくれるかな？」
フェリドがそう言うと、２人とも一瞬躊躇ったが、大人しく部屋を出ていった
「……」
見るからに掴み所が無さそうなこの男は、今まで会った吸血鬼のなかで一番嫌いなタイプだ
フェ「いやぁ〜可愛いねぇ」
フェリドはそう言って私を舐めまわすような目でじっとりと眺めた
その視線が嫌だ
「私に何の用だ」
私が睨むと、フェリドはズイッと距離を縮めてきた
フェ「ここに来たら、なんか気になる気配を感じてねぇ。それで側の部屋を開けてみたら…こんなに可愛い仔猫ちゃんを見つけたのさ」
……うん…変態だ
こんな奴は適当にあしらうに限る
「それで用件とは？」
そう言った瞬間
顎を掴まれ
フェ「飲んでいいかい？」
と聞かれた
「……嫌だ」
お前なんかに私の血はやらない
フェ「クローリー君にはあげたのに？」
「……」
うるさい
お前には関係ない
手を振り払い、部屋を出ようとする
だが…
フェ「…君は…本当に可愛いねぇ♡」
一瞬首筋に鋭い痛みがあり、気がつけば後ろから噛みつかれていた
「っ…」
抵抗しようとした瞬間、一気に血を吸い出される
「ぐっ…」
…痛かった
意識が…薄れていく…
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InaNyan(プロフ) - 全てよみました。体調に気をつけて下さい。待ってます。 (2018年7月23日 21時) (
レス) id: 7122b96239 (このIDを非表示/違反報告)
依紀 - 今日はじめて読みました！体調のほうは大丈夫ですか……？この作品、とても気に入りました！色々と応援してます！頑張って下さい！！ (2018年4月14日 19時) (レス) id: f149e1f30f (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 朔夜さん» コメントありがとうございます！頑張って更新します(≧▽≦) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - すごく面白いです 更新頑張ってください (2017年1月5日 12時) (レス) id: 184ba2587c (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 狼鬼さん» は、はいっ！頑張らせていただきますっ！！(≧▽≦) (2016年10月22日 16時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時：2016年8月31日 19時
