第２８話 二人の在り方 ページ41
〜クローリー〜
……【厄災】……
彼女の口から紡がれた言葉は、少し理解に苦しんだ
ク「…つまり君には、【終わりのセラフ】と【鬼】の、両方の力があるということかな？」
僕なりにまとめた答えを言ってみると、彼女は頷いた
「私にはその二つの因子が埋め込まれている。と言っても、私自身にそれをどうこうできる術は無い」
自分じゃ操れないってことか
そうなってくると、今までの全てが納得がいく
彼女が例外の吸血鬼になったのは、恐らくそれが原因の一つだろう
「私はこの力がどんなものなのかわからない。何がキッカケで目覚めるのかも知らない…」
ク「ふ〜ん…君も大変だねぇ」
あまりそういうことに興味を持った記憶は無いけど、やはり彼女には何かある
ク(ちょっと嫌だけど…フェリド君を頼ってみようかな…)
彼は本当に頭が良いから、何か知っているかもしれない
ク「……そう言えば…今日はいつになく色々と話してくれるね」
ふと思ったことを口に出す
いつもぶっきらぼうなサクラが、初めて自分から色々と話してくれた
さっきはあんなことを言われたけれど、サクラに好意を抱いていると言うのも本当だ
でも…やっぱりお互いの過去に色々ありすぎる
僕がサクラを吸血鬼にしようと決めていたのは８年前からだ
世界が崩壊したあの日、僕はサクラを見つけた
小さな教会の十字架の前で泣き叫ぶ幼いサクラを見つけたあの時…僕は何かを感じた
そしてその時、８００年前のリアナとの“約束”のことを思い出した
それを話すとなると、また長くなるけど…
「……別に理由は無い」
彼女はまた、いつものように無愛想に応える
「…クローリー」
名前を呼ばれる
「…血を…」
あぁ…お腹が空いたのか
長話で疲れただろうしね
ク「いいよ」
ベッドに腰掛け、両手を広げる
すると、彼女はゆっくりと僕の腕の中におさまる
彼女の細く白い牙が光り、僕の首に突き立てられた
いつも通り……やっぱりこれが一番いいのかな…
……主人と飼い犬……
これが…僕達の在るべき姿なのだろうか
「ん……」
彼女の吸血は優しい
でも……
ク「…もっと…求めても良いんだよ」
僕がそう言うと、彼女は牙を離し、驚いたように此方を見る
その唇の端から溢れている僕の血が、彼女の顎を伝い、服に落ちる
綺麗だ……妖艶……という言葉が一番当てはまる
「……お前が私と重ねている“誰か”について…だが……」
彼女は青い澄んだ瞳で僕を見る
「…少し…知りたくなってきた…」
そう言ってまた、僕の首に牙を刺した
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InaNyan(プロフ) - 全てよみました。体調に気をつけて下さい。待ってます。 (2018年7月23日 21時) (
レス) id: 7122b96239 (このIDを非表示/違反報告)
依紀 - 今日はじめて読みました！体調のほうは大丈夫ですか……？この作品、とても気に入りました！色々と応援してます！頑張って下さい！！ (2018年4月14日 19時) (レス) id: f149e1f30f (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 朔夜さん» コメントありがとうございます！頑張って更新します(≧▽≦) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - すごく面白いです 更新頑張ってください (2017年1月5日 12時) (レス) id: 184ba2587c (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 狼鬼さん» は、はいっ！頑張らせていただきますっ！！(≧▽≦) (2016年10月22日 16時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時：2016年8月31日 19時
