第２７話 過去の闇 ページ40
ク「サクラ…好きだ」
彼女の耳元でそう囁いてみる
ク「愛してる」
こんな言葉……言ってる方が恥ずかしい
でも言っておこう
「…っ…だま、れ…」
僕がこんなにも恥を捨て、攻めていると言うのに…
君は弱い部分を見せたかと思えば…すぐに隠してしまう
……やはり似ている……
リアナに
「お前は仲間を殺した……私を化け物にした」
ク「あぁ…そうだね」
彼女は僕の目を真っ直ぐ見た
青い瞳が鋭い光を宿す
「……お前は私を……誰と重ねている……？」
………え…？
ク「誰……って……」
「お前は私を…私以外の誰かと重ねている」
“サクラ意外の誰か”
その言葉は…あまりに確信を突いていた…
【僕はサクラを…リアナと重ねていた】
「私はその人の代わりにはなれないし、なるつもりもない」
彼女は僕の腕を振りほどく
「私に“愛”を囁いても無駄だよ……」
細くしなやかな指が百合の花を撫でる
「……私は“愛”を信じない……少なくとも…神が創ったこの世界に…真実の“愛”など存在しない…」
彼女はロザリオを見つめる
わかっていた……僕がサクラをリアナの代わりにしようとしていたことも…
自覚はしていた
「クローリー」
ふと名前を呼ばれる
「…少し…私の身の上話をしてもいいか…？」
ク「……いいよ」
彼女のことは…僕も知りたいと思っていた
彼女を見たあの一瞬しか、僕はサクラを知らない
だから聞かせて…君の口から
「……お前が殺した私の仲間は…本当は私の見張り役だったんだ」
ク「……」
「私は昔、父である御神 龍之介の手によって…人体実験の被験体にされていた」
…人体実験…ね…
人間たちの大好きなやつだ
「父は帝ノ鬼のなかでは名の知れた異常者だった……その父が完成させた被験体が私で、その見張り役が私の嘗ての仲間だ」
ク「…なるほど…」
「これは軍の最高機密になっている。知っているのは極少数の限られた人間だけ」
ク「最高機密…ねぇ……そんなに凄い実験なの？」
彼女は俯く
「あぁ……危険なものだ」
……だいたい把握できた
彼女はとてつもなく危険な実験に巻き込まれ、人間達が恐れるほどの…それこそ、吸血鬼にとっても脅威となりうる“力”を身に宿している
それが何なのかはよくわからない…調べる必要があるかな
「だから私はお前の想う人じゃない…ただの醜い化け物だ……吸血鬼よりタチの悪いな」
ク「その実験って……何なの？」
彼女は静かに笑った
「【鬼】と【セラフ】の…両方の因子を持つ者の製造……【厄災】の生成だ」
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InaNyan(プロフ) - 全てよみました。体調に気をつけて下さい。待ってます。 (2018年7月23日 21時) (
レス) id: 7122b96239 (このIDを非表示/違反報告)
依紀 - 今日はじめて読みました！体調のほうは大丈夫ですか……？この作品、とても気に入りました！色々と応援してます！頑張って下さい！！ (2018年4月14日 19時) (レス) id: f149e1f30f (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 朔夜さん» コメントありがとうございます！頑張って更新します(≧▽≦) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - すごく面白いです 更新頑張ってください (2017年1月5日 12時) (レス) id: 184ba2587c (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 狼鬼さん» は、はいっ！頑張らせていただきますっ！！(≧▽≦) (2016年10月22日 16時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時：2016年8月31日 19時
