〜二人の出会い〜 ページ28
ーー８００年前ーー
ある晴れた春の日……
心地良い春風が町を吹き抜ける
今日も教会は賑わっていて、大勢の人々が神に祈りを捧げ、その日を幸せに過ごせることを願っていた
そんな中…
「…はぁ」
一人胡座をかいて地面に座り、頬杖をついたまま目の前ではしゃぐ仲間達を呆れ顔で見つめる少年が居た
ヴィ「お前もまざれよー！」
テンプル騎士見習いで、生徒の中では一番のやんちゃ坊主であるヴィクターが少年に向かって手を振る
「僕はいいよ。もうすぐアルフレッド隊長が来るし」
少年がそう返した直後
ア「呼んだか？クローリー」
背後で声がした
「！！」
クローリーと呼ばれた少年は慌てて立ち上がり、姿勢を正した
先程まではしゃいでいた生徒達も、皆一列に並び
「「おはようございます‼アルフレッド隊長」」
と声を張り上げた
ア「あぁ。全員揃っているな？」
ク「はい！いつでも訓練を始められます」
アルフレッド隊長は、今後テンプル騎士団の未来を担う若者を教育する、いわゆる教官のようなものだ
そして、クローリーをはじめとするこの場に居る全員が、彼の地獄のように厳しい訓練を受ける
ク「今日は何をするのでしょうか」
クローリーがそう言うと、隊長は一つ咳払いをした
ア「訓練の前に、皆に紹介したい者が居る」
そう言って自分の後ろを振り返る
ア「さぁ」
隊長がそう言うと、彼の大きな体の陰から、少女が現れた
背は低く、髪は鮮血のような紅で、首からは金のロザリオを掛けている
？「……」
少女は髪とは対称的な青の瞳で、クローリー達を見つめていた
ア「今日からここで訓練を受けることになった者だ」
その場に居た全員が耳を疑った
屈強なテンプル騎士団の中に女など居ない
ましてやこんなに幼い少女がアルフレッド隊長の訓練を受けるなど…赤ん坊を拷問するようなものだ
ア「名前はリアナ。歳は八つ。人付き合いは苦手だが、仲良くしてやれ」
８歳というと、当時のクローリーとは５歳差だ
ヴィ「え…あの隊長」
ヴィクターが口を開く
ア「なんだ。何か質問でもあるのか」
それは今全員が持っている疑問だ
ヴィ「その娘…戦えるんですか？」
「……」
リアナはヴィクターを睨むような目付きで見る
ア「試してみるか？」
隊長はそう言ってクローリーを見る
ク(まさか……)
ア「お前が相手をしろ」
ク「…やっぱりかぁ」
リアナは隊長から渡された木刀を構え、クローリーの前に立つ
「…よろしく」ﾎﾞｿｯ
ク「え？…あ、うん」
…これが…二人の出会いだった……
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InaNyan(プロフ) - 全てよみました。体調に気をつけて下さい。待ってます。 (2018年7月23日 21時) (
レス) id: 7122b96239 (このIDを非表示/違反報告)
依紀 - 今日はじめて読みました！体調のほうは大丈夫ですか……？この作品、とても気に入りました！色々と応援してます！頑張って下さい！！ (2018年4月14日 19時) (レス) id: f149e1f30f (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 朔夜さん» コメントありがとうございます！頑張って更新します(≧▽≦) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - すごく面白いです 更新頑張ってください (2017年1月5日 12時) (レス) id: 184ba2587c (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 狼鬼さん» は、はいっ！頑張らせていただきますっ！！(≧▽≦) (2016年10月22日 16時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時：2016年8月31日 19時
