第２０話 涙と過去 ページ24
戦場に重苦しい空気が満ちる
暮「…まぁいい」
暮人はそう言って断ち切った
……私は裏切者とみなされたのだ
シ「ま…待ってください！サクラさんは裏切ったわけじゃ…」
シノアが弁解しようとしてくれる
だが…奴等がそんな戯れ言を聞くわけがない
「シノア…いい」
シ「っ…」
押し黙るシノア
暮「……我ら柊家に逆らった者が一体どうなるか…骨の髄まで思い知らせる必要がある」
もう…無理かな…
暮「やれ」
暮人の傍らに座るグレンは、ただ此方を見つめている
ビルの上の深夜も同じだ
「……」
もう仲間じゃない
ク「これどうする？フェリドくん」
クローリーがフェリドに指示を煽る
フェ「う〜ん…人間がわらわら増えてきてなんか気持ち悪いから 逃げる」
ク「は…相変わらずプライド高いなぁキミは。で？僕はどうしたらいい？」
フェ「死のうが生きようが好きにすれば？」
ク「えー呼んでおいてそれかよ」
……まったくだな
こんな状況でも全く緊張感のない会話に、少しだけ感覚がおかしくなりそうになる
「…行こう クローリー」
私がそう言って嘗ての仲間達に背を向けると、クローリーは少しだけ驚いたように見つめてきた
ク「…あぁ…うん」
私はもと来た方角へと跳んだ
背後ではミカが何か喚いているが、フェリドによって強制的に連れていかれた
「……」
ほんの少し…振り向いてみる
どんどん遠ざかる仲間
そんななかでも
三「サクラさん…」
シ「……」
あの二人は私を見てくれている…私の名を呼んでくれている…
「今は…それだけで……」
ク「…サクラ？」
クローリーが声を掛けてくる
「…なんだ」
私がそう聞き返すと
ク「…泣いてるの？」
などと言ってくる
私が泣いていると……
「……」
確かに、私は泣いていた
視界が霞んで上手く前が見えない
聴覚と微かな風を頼りに跳び続ける
「…ははは」
嬉しかった……
自分がまだ…彼女達のために泣くことができて…
涙が頬を伝い、遥か下の地上に溢れ落ちる
止めたいのに止まらない
ク「……」
クローリーは相変わらず私の顔を見つめている
こいつに泣いているところを見られるのは二度目だな
「…あんまり見るな」
私がそう言うとクローリーは笑った
ク「はは。ごめんね…懐かしくてさ」
懐かしい？
ク「君はあの時も泣いていた」
「…あの時？前の瓦礫の山でのことか」
あの時は吸血鬼になってしまったショックで柄にもなく泣いてしまった
今は…仲間と会えた嬉しさと別れの悲しさだ
ク「…ちょっと違うかな」
クローリーはそう言った
違う……と
「ぇ？」
ク「…こっちの話だよ」
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InaNyan(プロフ) - 全てよみました。体調に気をつけて下さい。待ってます。 (2018年7月23日 21時) (
レス) id: 7122b96239 (このIDを非表示/違反報告)
依紀 - 今日はじめて読みました！体調のほうは大丈夫ですか……？この作品、とても気に入りました！色々と応援してます！頑張って下さい！！ (2018年4月14日 19時) (レス) id: f149e1f30f (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 朔夜さん» コメントありがとうございます！頑張って更新します(≧▽≦) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - すごく面白いです 更新頑張ってください (2017年1月5日 12時) (レス) id: 184ba2587c (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 狼鬼さん» は、はいっ！頑張らせていただきますっ！！(≧▽≦) (2016年10月22日 16時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時：2016年8月31日 19時
