第１話 僕の血を君に ページ3
「はぁっ…はぁ…ぐっ…」
広い部屋の中央で、彼女は踞っていた。苦しそうに呻いている
そして、その様子を３人の吸血鬼が眺めていた
ク「そろそろ血を飲んだらどうだい？鬼になるよ？」
クローリーが彼女にそう語りかける
チェ「１週間も血を飲まずに正気を保っていられるなんて、ビックリですぅ〜」
チェスはそう言って彼女の顔を覗き込んだ
ホ「でも、そろそろ限界でしょう。もうじき鬼へと変貌します」
ホーンは腕を組み、彼女を見下ろしている
そこへ
吸「クローリー様。お持ちしました」
一般吸血鬼が、気絶した子供を抱えて入ってきた
ク「あぁ、彼女の前に置いてくれる？」
クローリーがそう指示すると、吸血鬼は命令された通り、彼女の前に子供を置いた
ク「もう行っていいよ」
吸血鬼が出ていくと、チェスが急かすように子供を彼女の顔の傍に転がした
チェ「ほら飲みなさいよぉ〜。ずぅ〜っと我慢してたんでしょ〜？」
彼女は顔を上げた。その青い瞳が、子供の首筋を見つめる
「っ…くっ…」
ク「えぇ〜、まだ我慢できる気力が残ってるの？」
クローリーが驚いたようにそう言う
ホ「我慢する必要はありませんよ。欲望の赴くままに…」
そう言ってホーンが子供の首筋を爪でなぞると、皮膚が裂け、血が溢れた
「っ…」
サクラは起き上がり、子供の血を見つめる
飲む…３人がそう思った瞬間…
ﾊﾞｷｨｲｨｯ！！
サクラが自分の腕を折った
「がっ…はっ…はぁっ…」
痛みに顔を歪める
ホ「まさか…腕を折って正気を保とうとしているの？」
チェ「えぇ〜？！」
クローリーは何も言わず、ただ驚いたように目を見開いている
「私は…お前等と同じになるつもりは…ない…」
ク「…はぁ…仕方ないなぁ」
クローリーは彼女に歩み寄り、彼女の頬に触れた
ク「じゃあ、僕の血を飲めばいい」
チェ・ホ「！！」
「なっ…」
その場にいる全員が驚愕する
チェ「ひどいです！私達だってたまにしか飲めないのにぃ〜！！」
ホ「そうです！それに、クローリー様がそこまでされる必要は…」
従者２人の言葉を遮って、クローリーは言う
ク「う〜ん、でも彼女に死なれるのは嫌なんだよなぁ」
そう言って、クローリーは自分の首筋を切った
血が滴り、床に落ちる
「くっ…」
もう限界だった
サクラはクローリーの首に噛み付いた
彼の硬い皮膚を喰い破り、血を吸い出す
ク「よし、いい子だね」
クローリーはそう言って微笑み、彼女の頭を撫でた
彼女の目からは…止めどなく涙が溢れていた…
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InaNyan(プロフ) - 全てよみました。体調に気をつけて下さい。待ってます。 (2018年7月23日 21時) (
レス) id: 7122b96239 (このIDを非表示/違反報告)
依紀 - 今日はじめて読みました！体調のほうは大丈夫ですか……？この作品、とても気に入りました！色々と応援してます！頑張って下さい！！ (2018年4月14日 19時) (レス) id: f149e1f30f (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 朔夜さん» コメントありがとうございます！頑張って更新します(≧▽≦) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - すごく面白いです 更新頑張ってください (2017年1月5日 12時) (レス) id: 184ba2587c (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 狼鬼さん» は、はいっ！頑張らせていただきますっ！！(≧▽≦) (2016年10月22日 16時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時：2016年8月31日 19時
