第１２話 新宿へ ページ15
子供達の食事を済ませ、私は市役所の自室に戻っていた
ベッドに座ると、何故だか彼奴も隣に腰掛けた
「ギシッ」という金具が軋む音がして、私の体が少しだけ傾いた
「……なんで居るんだ」
ク「ちょっとお腹減っちゃったから」
クローリーはそう言って私の肩を掴み、ベッドに押し倒した
柔らかいベッドに体が沈む
「っ……」
こうなったら、もう何も考えない
目を閉じ、思考を絶つ
あとは…ただ血を与えるだけ
ク「…抵抗しないんだ」
クローリーは私の顔を除き込む
「……」
私だって嫌だ
でも、クローリーの血のおかげで、私は生きている
首を差し出す
ク「…いい子だね」
首筋に牙が突き立つ感覚がある
クローリーの冷たい牙が血管を貫き、私の血を吸い出す
「あっ…うぁ…」
声が抑えられない
何より……クローリーに吸われるのには、何か奇妙な心地好さがあった
フェリドの吸血は、強引で痛くて、恐怖を感じた
だがクローリーのは…何と言うか…ほんの少しだけ……
ク「はい、おしまい」
「……もういいのか」
吸われたのはかなり少量だ。故に、渇きは感じない
ク「だってあんまり吸ったら君、身体保たないでしょ？」
「……」
馬鹿な……こいつは仲間を殺した…人間を家畜としてしか見ることができない…醜い吸血鬼だ…
なのに…
ク「あ、そうだ」
何かを思い出したようだ
ク「明日新宿に行くよ」
「…えっ」
新…宿…？
ク「人間を殺しにね」
「なっ…」
クローリーは立ち上がり、部屋を出ていった
私は独り取り残される
未だに頭の中は混乱している
新宿…人間…殺戮……日本帝鬼軍
「……」
間違いなく…彼奴等に会ってしまう
新宿なら、渋谷本隊も来るかも知れない
「…クソッ」
見られたくない…こんな私を…
仲間を守れず…吸血鬼に堕ちたこんな姿を…
思わずロザリオに手が伸びる
心が神に助けを求めている…なのに…
……ロザリオは冷たく光るだけだ……
ー翌日ー
子供達の元へ行くと、既にクローリーの配下である下級吸血鬼達が食事を与えていた
紗世が此方に気づく
紗「お姉さん！」
走り寄ってくる。その姿はとても可愛らしい
「紗世、少し出掛けてくる。留守は頼んだ」
紗「うん。いってらっしゃい！」
笑顔でそう言ってくれる彼女の頭を撫でてやる
吸「サクラ様。クローリー様がお待ちです」
そう言う吸血鬼からマントを受け取り、羽織る
フードを出来るだけ深く被り、外に出てヘリに乗る
ク「じゃあ、行こうか」
クローリーの隣の椅子に座らされ、新宿に向けて出発した…
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InaNyan(プロフ) - 全てよみました。体調に気をつけて下さい。待ってます。 (2018年7月23日 21時) (
レス) id: 7122b96239 (このIDを非表示/違反報告)
依紀 - 今日はじめて読みました！体調のほうは大丈夫ですか……？この作品、とても気に入りました！色々と応援してます！頑張って下さい！！ (2018年4月14日 19時) (レス) id: f149e1f30f (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 朔夜さん» コメントありがとうございます！頑張って更新します(≧▽≦) (2017年1月5日 13時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - すごく面白いです 更新頑張ってください (2017年1月5日 12時) (レス) id: 184ba2587c (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - 狼鬼さん» は、はいっ！頑張らせていただきますっ！！(≧▽≦) (2016年10月22日 16時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時：2016年8月31日 19時
