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19,訪問 ページ20

モヤモヤとした気持ちを抱えたまま

私はカリンの家のインターホンを鳴らした。


『……はい』


機械音といっしょに聞こえてきたのはいつもの明るい声とは真逆のカリンの声


「カリン。私やけど…」

『菫ちゃん?』

「うん。今日のプリントとか宿題とか持ってきた」

『あ、ありがとう。ちょっと待ってね』


しばらくして玄関のドアが開いて、中から部屋着姿のカリンが出てくる。


『今朝休むって連絡しなくてごめん』

「おかげさまで遅刻したわ」

『えっごめん』

「一発シバかせてくれたら許したる」

『いやそれはちょっ…いだだだだだだだ』


思ったよりも元気そうやけど、目元に泣き腫らした跡がある。

やっぱ何かあったんやな…。


「あがってええか?」

『え?…あぁ、うん』


家に上がると、カリンのお母さんが笑顔で声を掛けてくれた。


「あら菫ちゃん。いらっしゃい」

「どうもお邪魔します」


階段を上がってカリンの部屋に行く。

室内に入ってすぐに、カリンが普段思い出の写真や物を並べている棚が目に入った。
たくさんある写真立ての内のいくつかが倒されていた。

「……あぁ、それ…侑と撮った写真。
今は見るのがツラくて……」

苦笑いを浮かべながらそう説明するカリン

「…ふーん」(でも捨ててはないんやな…)

部屋に置かれた小さなテーブルに向かい合って座る。

「アンタが好きなお菓子買うてきてん。
パーッと菓子パでもして、気分晴らしや」

テーブルの上にカリンがよく食べているお菓子を広げる。

「わぁ!ありがとう!」

(……ホンマに喜んでるんと思うけど…やっぱ無理してテンション上げとんなぁ)

らしくない親友の姿に違和感を覚えたが、今は場の流れに乗ることにしよう。

「今日の学校…どうだった?」

お菓子の包みを開けながら、カリンが不安げに尋ねてくる。

「別にいつも通りやったで。あ、でも……」

宮との階段での会話を思い出し、それをカリンに言うべきか迷った。
あのバカ侑のファンの過激派がやってることを知ったら、この子はどう感じるだろう。

「菫ちゃん?」

「ん?あぁ何でもないわ!普通普通!
何も変わったことはなかったわ!」

不思議そうに顔を覗き込んでくるカリンに慌てて手を振ってそう言った。

「そっか……」

しばらく、気不味い沈黙が流れる。

(あぁもうどうしたらええねん!)

ひとり苦悩する私の耳に、カリンから衝撃的な言葉が飛び込んできた。



「私ね……侑と別れようと思うの」

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★ホームランバッター☆(プロフ) - すみません…((´・ ・`))頑張ります! (2019年1月19日 22時) (レス) id: fc195e5c2a (このIDを非表示/違反報告)
しと(プロフ) - 続きまだですか? (2019年1月13日 2時) (レス) id: cf72176a83 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - カイヤお前イケメンやん‥‥。・゚・(ノ∀`)・゚・。 (2017年6月9日 0時) (レス) id: 7de5b7484a (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - あやさん» ま、マジすか("⌒∇⌒")あざーっす!! (2017年4月30日 19時) (レス) id: 471f1caae5 (このIDを非表示/違反報告)
あや - うむ、なかなか良いぞ (2017年4月30日 18時) (レス) id: 80d5eb12dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時:2017年4月19日 23時

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