頼らせて * ページ32
「…………」
嫌だ
其処で何をされるかなんて想像がつく
国「大丈夫ですよ。拷問されるわけじゃないんですから」
国見くんは真顔でそう言うけど
私にとっては拷問も同じだ
実際にされたことはないけど、どちらも同じくらいツラい
「……国見くん」
国「はい？」
「貴方たちは…どうして此処で暮らしてるの？」
私は不意に浮かんだ疑問をそのままぶつける
すると、彼は静かに目を閉じた
国「それは、貴女が知らなくていいことです」
そう言われて「ハイそうですか」と納得できるはずがない
が、私が問いただそうと口を開く前に
彼が話し始めた
国「この【館】で生きていると……昔のことをどんどん忘れていくんです」
「忘れる……？」
国見くんの表情は
まるで思い出せない過去を思い出そうとするような
忘れている何かを探しているような顔だ
国「自分はどんな子供だったか。どんな家族が居たのか。どんな友達が居たのか……いや、そもそも家族も友達なんてモノも居なかったんじゃないのかって……そう思えてくるんですよ」
「………」
国「俺たちは此処で長い間暮らしてきた。
もう此処しか知らない。此処で死んでいく運命なんです」
長い間……
私より年下の筈の彼が
まるで何十年も囚われた人のようなことを言っているように聞こえる
「此処は……この【館】は、いったい何なの？」
私のその問いに
彼は薄く微笑み、いった
国「此処は───【狂愛の館】ですよ」
国見くんはそれだけ言って、扉の方へ歩き出す
何か言葉をかけようとしても見つからない
それよりも頭の中でキリキリと糸が張りつめているいるような感覚に
僅かな恐怖を抱いていた
気が付くと彼はもう部屋には居なくて
私は唐突に怖くなった
独りで居ることに耐えられなくなった
でも、ハクチョウに頼れる人なんて……
"……どうか……壊れないでください"
そう言ってくれた彼
彼なら……大丈夫かもしれない
私は意を決して部屋から飛び出した
廊下を小走りで進む
瀬「……うぉっ、冴木？」
曲がり角で英太さんにぶつかりそうになったが、私は避けて走り続けた
彼の部屋は何処だろう
何も考えずに来てしまったから解らない
英太さんに聞けば良かった
なんて後悔していると
『……あ、冴木さん！』
「！」
居た、やっと見つけた
「五色くん…」
五「！ど、どうしたんですか？何で泣いて…」
「ごめんなさい……少しだけ一緒に居させて」
今は……貴方しか頼れないの……
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★ホームランバッター☆(プロフ) - 美人になり隊さん» コメントありがとうございます！ハッピーエンドにできるように頑張ります！( *°∀°) (2018年10月16日 21時) (
レス) id: fc195e5c2a (このIDを非表示/違反報告)
★ホームランバッター☆(プロフ) - ケイン・シンセシス・フォーティフォーさん» コメントありがとうございます！辛かったです…。お見舞いに来てくれた家族もマスクを着けていて表情が見えないのが寂しかったです……。温かいお言葉ありがとうございました。時間はかかりますが、必ず完全復帰します！ (2018年10月16日 21時) (レス) id: fc195e5c2a (このIDを非表示/違反報告)
美人になり隊 - 最後はハッピーエンドでお願いします！ (2018年10月9日 21時) (レス) id: 1b3f0f7210 (このIDを非表示/違反報告)
ケイン・シンセシス・フォーティフォー - 結核だったんですか…お疲れ様でした。私は入院したことがありませんが、辛かったのであろうことが、従姉妹さんの文面から伝わりました。更新、楽しみにしています。 (2018年9月29日 17時) (レス) id: 0162fa0dbe (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ - リクです。影山、研磨、赤葦 セッター3連発でお願いしますwww (2017年9月26日 20時) (レス) id: 008a78feb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：★ホームランバッター☆ x他1人 | 作成日時：2017年4月5日 17時
