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朝。
まだ肌寒さを残す風に、ぶるり、と身を震わせた。

そんな寒さも、電車に乗り込めば、あまり気にならない。
通勤ラッシュで人が多く乗り込み、押し潰されるような体制になるのは1年前から変わらない。


揺られる車内と、息苦しさが限界に近づいた所で、最寄りの駅に着いた。
ここで降りるのは、高校生だけで、車内の人口密度はあまり変わらないように見える。




たん、たん、と階段をゆっくり降りる。

うぅ、階段って苦手…。下る時とか、転びそうになる。
できるだけゆっくり、できるだけ歩く人の迷惑にならないように端を歩く。


その時、ドンッ、と背中に何か当たった気がして、振り返ると、ガクン、と足を踏み外した。

落ちるッ!!!!









.









.










「…ッぶない」

『え』


ぐっ、とお腹に回された手は、間違いなく支えてくれた人のもので。
何とか手すりに捕まって立ち上がり、その人の顔を見た。



同じ学校の制服に、エメラルドグリーンの瞳、少し長めの茶髪。
コネシマ君程じゃないけど、イケメンには変わりない。


しばらく見つめていると、少し気まずそうに笑った。


「えと、大丈夫ですか?」

『あ、はい!大丈夫です。ありがとうございます』

「怪我なくて良かったわ」


ふわり、と花が咲いたように微笑むから、胸がキュンと締め付けられた。


……一目惚れ?まさか。


そんな事ない。

助けてくれた人がイケメンだったから、そんな理由で一目惚れするほど安い女じゃない。はず。









……少し、ゾム君の声に似てたから、もしかしたら、なんて思ったのは気のせい。




同じ学校の制服だし、校内で会えたらお礼したいな、なんて、ね。
にしても、階段から落ちるなんて、去年のあの人と同じじゃん。

……まぁ、あの時は私が助けた側だったけど。






.

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伊玖(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» メンバー見て、書くしかないなと!!面白いと思ってもらえて良かったです!これからも頑張ります〜!! (2021年3月1日 20時) (レス) id: bedb32b5c2 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - めっっちゃおもしろかった!!w最後のページw、、、終わり方好きおもしろい!!これからも頑張ってください!! (2021年3月1日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
伊玖(プロフ) - 貴女の神さん» sukiyaki douzo。 (2021年2月28日 20時) (レス) id: bedb32b5c2 (このIDを非表示/違反報告)
貴女の神 - watasimo (2021年2月28日 19時) (レス) id: 94909bedb8 (このIDを非表示/違反報告)
伊玖(プロフ) - つぶしたおもちさん» tabetai。 (2021年2月28日 19時) (レス) id: bedb32b5c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊玖 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2021年2月23日 21時

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