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翌日の朝
年度初めはいろいろと忙しく、生徒会室にメンバー全員が集まる
昨日の放課後とは違い、いつも通りの人しかいないこの空間は同じ教室であるのに全く違く感じる
先輩からの引継ぎの仕事など、多様な仕事がたんまりとあるわけだが大抵はトントンが纏めてくれているためこちらに回ってくることはほとんどない
とまぁご理解の通り、仕事はやらずに溜めてしまうためにこちらにはあまり回ってこないのだ
既に一通り仕事尾を終え、一人優雅にお茶会を始めている目の前の人物に視線を送る
視線、というか他人の感情に敏感なこの男のことだ
直ぐに気が付くだろう
「なんや、大先生？」
「いやぁ、一つ相談あってな....ちょっとええ、マンちゃん？」
周りから痛い視線を感じながら聞けば、ニンマリと笑むオスマン
普段から微笑んでいるような表情をしている彼だが、こうも何かを含んだような笑いを見ると少し背筋がピンとなる
「ほー？話聞くくらいなら別にええけど。」
「まぁ今はそれでええよ、話だけでも聞きや。」
「放課後な、昼は用事あんねん。」
相談の約束は取り付けられた
あとは彼をどうやって協力者として味方につけるか、ということだがまぁあのコネシマが...なんて話題を出せば面白がってくれるだろう
とはいえ念には念を、とは仲間内の奴らが良くやることだ
書類仕事もこう面白ければいいのに、なんてありもしないことを呟きながらも、彼に知られぬよう用心しながら手に入れた希美ちゃんの番号を探し始めた
*
「大先生どうした、だらしない顔して。」
「はぁ？だらしないぃ？お前、そんなこと言ってられんのも今の内やぞ！」
「何怒ってんの？」
一限目から移動教室とはクソだりぃとこぼしながら机に伏せる
楽しそうに笑う捏島を目の前に、いつものように頬を膨らませた
我ながら何をしているのかと尋ねたくなるものだが、はよ行くぞ、と催促しこちらに背中を向けられる
一年前から、と聞かされた時には驚きとか変なところへの怒りとかが多かったが、少し冷静になって考えてみればなんだか嬉しいような、そんな気持ちを持ちながらも彼に協力するのは自分が女の子に近づくためであることは事実だ
まぁ利用できるだけしてやるよ、と動かないこちらを不思議そうに見てくる無垢な彼にバレない様にほくそ笑んだ
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作者名：みつくろりん | 作成日時：2021年12月6日 0時
