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翌日
いつものように遅めに教室に入れば、朝練を終えたコネシマがシャオロンやロボロと話している姿が目に入る
昨日唐突にチケットに名前と印鑑をもらって来い、なんて言ったわけだが本当にもらえたのだろうかとふと不安になった
もしコネシマがこの条件を達成できなかったとすれば、コネシマが文化祭に行くことができないだけでなく折角チケット入手に協力してくれた希美ちゃんに面目が立たないのだ
とはいえ、そういう話ならば希美ちゃんに名前と印鑑を貰ってしまった方が早いのではないかと思うだろうが、それでは電車の彼女と接するきっかけとしては薄いだろう
相も変わらず親友の為では無く自分の為であるという思考を巡らせているのだが、どうしても所々応援してやろうという気が出てしまうのは彼の人柄のせいにしておこう
「はよぉ、お前ら早いな。」
「大先生が遅いだけやろ。」
眠気眼を擦りながら登校したこともあってか、心配事を抱えながらも突然出た欠伸とともに声をかければ呆れたというような表情をしたシャオロンが返してくれた
コネシマの方に目を向けると、そいつはいつもより楽しそうに白い歯を出して笑った
「なんやコネさん、今日は随分上機嫌やない？」
「そうなん？なんかあったん？」
「え！？あ、え？い、いやー、あ！そう、新しいスター伝説そろそろあるんやないかなぁって！もしくはエミさんの滑った話とか！？」
目聡くそれをロボロが指摘すれば、笑顔も一転し若干吃りながら言い訳を並べ始める
すると"伝説"や"滑った話"が浮かんだのか、腕を組み深く頷きながら一人で最近の共通の友人らの話を喋々したので、二人はそそくさと席に戻ってしまった
何はともあれ、先ほどの笑顔のお陰で彼がチケットの作戦に成功したことは分かった
目の前からいなくなった二人に気付かず、まだつらつらと言葉を並べている男の話を長々と聞く役目には回りたくないため、詳しい話は今日中のどこかで聞こうと思う
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作者名：みつくろりん | 作成日時：2021年12月6日 0時
