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苛立った
ムカついた
別にそういうわけではない、とは言い切れないが兎に角失敗した
初めの判断が誤っていたのだ
"青い瞳、綺麗だなぁって。"
その言葉だけでてっきり最近噂の女癖の悪い方だと思っていたのだが、実際はその友人の方だった
青いって藍色じゃなくて水色だったのかよ、と思いながらも違う作戦に移行しようと脳内を切り替えようとすると、一階の方でガチャッと玄関扉の開く音が響くのが聞こえた
部屋から飛び出して玄関の方へ迎えに行くと、眠たそうに欠伸をしながら靴を脱いでいる姉さんが立っていた
「ただいま、あれ？今日は生徒会の仕事は無かったの？」
「おかえり、今日は無いよ。ていうか毎日あったら疲れるに決まっとるやろ。」
「それもそっか。お父さんは？まだ帰ってない？」
「まだやで。あーごめん、課題やってて飯とか考えてなかったわ。」
リビングに向かう姉さんの後ろを追いかけていると、「あっ。」と発しながら振り返った姉さんと目が合う
「そういや、今年は文化祭来るの？」
「んーどうしよ。一人誘ってもええなってやつは居るけど。」
「じゃあ二枚で大丈夫かな？まだ名前書いてないから待っててね。」
リビングにつき鞄をソファに置き鞄からチケットと筆記用具を取り出すと、そのまま黒ペンで氏名欄を埋め印鑑を押す
その姿を隣で眺めていると、書き終えたチケットを二枚渡される
「はい、結構規制厳しいから失くさないようにね。」
「はーい。」
「じゃあご飯作るね。」
「手伝うわ。」
「お、ありがとう。」
制服の上からエプロンを着け、冷蔵庫を開いて食材を確認している隣で同じエプロンを着けているとふと先ほど考えていたことを思い出す
「そういや姉さん、あの人はどうなったん？」
「え？」
「結局話しかけられたんやろ？」
「あーうん、そう。あーまぁ、き、聞かないで...！」
顔を真っ赤に染め、右肩頬を右手で隠し照れている様子の姉さんを揶揄い笑う
何年も前に超してしまった背丈のせいで、睨まれても全く怖くもない
だが何年も前からずっと一緒にいた身としては寂しい
多分これが行動理由になってしまっているのだろうか
「姉さん。」
「ん？なぁに？」
「気を付けてな、こっちの学校って女癖悪い奴もおるから。」
まぁ筆頭の奴が生徒会というのも世も末だな
ぴちょんと跳ねた水滴がチケットの心陽の文字かかってしまったため、急いでそれを拭った
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作者名：みつくろりん | 作成日時：2021年12月6日 0時
