砂糖多めで (ページ8)

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夢の温もりに包まれてページ8

今日、仕事でやらかした。

と言ってもほんの小さなミスだったので怒鳴られたりはしていない。
だが基礎中の基礎である内容にも関わらず、そんな簡単な事もこなせないのか、と自分に嫌気がさした。ただそれだけ。

仕事を片付け、会社を出たのが23:46。
まだ彼は起きているかな。

最近まともに話せてない。それに伴い、最近連勤続きで心身ともに限界だったのもあり、精神的にくるものがあった。

先輩にも迷惑をかけ、後輩にみっともない姿を見られた。

申し訳ない、情けない、みっともない。

裏できっと何か言われてる、笑われてる、呆れられてる。

一度想像すると止まらなくなり、下へ下へと身体が重くなる。苦しい。

今月はカツカツで明日を生きるのに精一杯だ。しかし、まともに足が動かなかったのでかなり痛い出費だがタクシーを拾いなんとか自分の家に着く。

鍵を開け、重い扉を引く。

『…た…いま…』

声にならない。私は今言葉を発してた？

いやそんなことはどうでもいい。さっさと靴を脱いで、早く、ベッドへ。夢の世界に、逃げるんだ。

寝室への扉を開けるとそこには大好きな彼が腕を組んで立っていた。

「遅い。」
『…か、とくん…』
「ん？なんて？」
『かざ、とくん…』
「は、え、どした。」

涙が止まらなかった。立つのも限界でその場にへたり、と座り込む。

「何があったんか知らんけど、好きなだけ泣き。今飲み物持ってくるな。」

部屋の境目で身動きの取れない私を優しく介抱してくれる風斗くん。

好きだなぁ。

「なんや、そんなびちゃびちゃに濡らした顔で俺のこと見つめて。」

「はは笑、俺のこと大好きやねんなぁ？そんな見られたら穴あくて。」

「んで、何かあったん？話、聞くで。」

そう言うとティッシュで涙を拭いて頭を撫でてくれる。私よりも一回り大きな手が私の不安や苦しみをかき消してくれる。