砂糖多めで (ページ2)

今日:10 hit、昨日:15 hit、合計:11,709 hit

・ページ2

日は経ち、今日は赤丸の日だ。スケジュールを聞くと普段とあまり変わらなく、この前と同じようにAの家で夜を過ごしている。

前言撤回。この前とは打って変わって今日はやけに彼女が積極的だ。
普段は俺がちょっかいをかけたりスキンシップを求めたりするのに珍しい。シンプルに嬉しいが一体何故。

そういえば先月も一回だけ似たようなことがあったな。

先々月も。

…ん？

…あぁ、もしかして。

「今日は甘える日なん？」
『ん、なんの事』
「この前もあったなぁと思って。」
『何が？』
「珍しくそっちが甘えてくれんの。」
『…あー、そう？気のせいじゃない？』
「ほーん、誤魔化す感じか？」
『あはは』
「ははは」

『…悪いか』

認めるんや。

「はは、ぜーんぜん？めちゃくちゃ嬉しいし可愛ええよ」
『…なんかもう気分じゃないからお風呂入ってくる』
「拗ねんといてや、めっちゃくちゃに甘やかしてやるから。ほら、こっちおいで。」
『…』
「ん、」

顔を真っ赤にしながら俺の前を行ったり来たり。
ほんまに甘えんの下手なんやな。

『ん』

ゆっくり俺の前に歩み寄り、ぎゅーっと抱きしめてくれた。それはもう、ゆっくりと。

「覚悟決めたか。偉いな。」
『…もっと』
「え？」
『もっと、褒めろ…』

…は？何それ

「…かわい」
『それは、嫌かも』
「照れんなや」

わしゃわしゃと頭を撫でてやると彼女の抱きしめる力が強くなる。

…嬉しいんかな。

まだまだ彼女の知らない事が山ほどあると思うとわくわくが止まらない。もっと、もっと彼女の事を知りたい、知り尽くしたい。

でも今はこの可愛い生き物をでろでろに甘やかすことに集中しようと思う。

「いつでも甘えてくれてええねんで。」