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｢ね、ねえ。今日はってなに？｣
『あー、前に1回だけミンギュ連れてったことあんの。』
『といっても、だいぶ前の話だけど』と続けた。
ミンギュもここに連れてこられたのか。相変わらず無鉄砲でゴーイングマイウェイなところは変わらない。
だからハニヒョンと喧嘩ばかりするんだよとため息を吐き、彼女の手に舵を任せた。
｢ねえ、俺お化け屋敷の調査に付き合ってるわけじゃないんだけど......、｣
『いいからいいから、』
ただの壁になぜ蜘蛛のリアルなシールを貼るのか。どうしてこの壁は明らかに人為的に壊れましたって跡が残っているのだろうか。
どうして！ヌナは！強引にここに連れてきたいのか！！
｢ねー、ほんと、に......すげえ！｣
果てしないこの道にもうギブアップだ、とそう思い声をだした時だった。暗い道から一転し、幻想的な部屋へと入っていくとそこには男の俺でもワクワクするくらい色んな服飾品やパーツのコーナーが拡がっていた。
『ね？言ったぢゃん、お化け屋敷じゃないって。』
｢言ってないけど？｣
『あり？』
まさに目を輝かせて部屋中をゆっくり歩き始める。
色とりどりの布や糸、業者用のミシンや、大小様々な形のビーズやボタンが想像できないほど並んでいる。小さい子だったら一生ここで暮らしていたいだろう。
『まぢで、テンション上がるよね！』
｢これはすごいや、｣
そして、Aヌナはおれの手を引いてさらに奥の方へと進みネイルコーナーへと導いた。
『ね、スニョアの好きなの選んでよ。色もこんなにあるんだからさ。』
彼女はそう言うと、何も塗っていない爪を見せてきた。
｢......覚えてくれてたの？｣
『そりゃそうぢゃん。うちは、みんなが言ったことちゃんと覚えてる派ですけど〜？』
そして、近くにあった小さなパーツを手に取る。
『ほら、これなんてさ虎のパーツ。ホランへ〜。』
顔の近くまで虎のパーツを持っていくと、いつも俺がやっているみたいに"がお"と手を作った。
全くこのヌナは、
『ヌナ、ホランへ〜。』
無鉄砲で、マイペースで、ゴーイングマイウェイで、そして......、
世界で1番弟思いだ。
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作者名：もく�� | 作成日時：2023年3月13日 22時
