朝日が昇る【SEVENTEEN+1】 (ページ35)

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本日3度目の個室からの解放に、足の震えを抑えながらも手を洗う。

｢ねえ、何してるの。｣

鏡越しに見えた彼の姿は、真っ暗な廊下を背景に魔王のようでおぞましがった。振り返れば、寝起きと呼ぶにはあまりにも整い過ぎていて、きっと私が吐いているのをずっと待ってくれていたのだろう。

『シュア、』

JS｢いつからなの。｣

『何の話、』

どうせ、彼もわかっている。分かっていると知っていても、自分の口は隠したいの一心で動いてしまう。ジョシュアは、こういうのを絶対許さない。

JS｢本気で言ってるの？｣

『意味わかんないんだけど。』

JS｢僕が聞かないと言わないの？｣

『......、うちの口から言わせないでよ。分かってるでしょ？』

JS｢誰かに言われた？それとも、自分から始めた？なんで、そんなことしたって、｣

『だから言わせんなってんの！！』

自分でもびっくりするような声が出てしまい慌てて口を抑える。つい一昨日、焚き火を囲んで本音を話あったばかりなのに、うちには言えないことが沢山あった。

『ごめん、うち疲れてんだよね。ほら、ディノと一緒になってはしゃいだぢゃん？部屋に帰るわ、』

ジョシュアの眼がすごく嫌になる。そのなんでも見透かすようなその眼が大嫌いだ。

いつもみたいにほっといてくれればいいぢゃん。

誰のせいでもないのに、1人また自己嫌悪に陥りながらもゆっくりと歩き始める。ジョシュアの隣をさらっと通り過ぎようとした。しかし、体は思ったよりも自由に動かず倒れ込むように彼の方へと体重が傾く。すると、ジョシュアは分かっていたかのように、腰を支え自分の首に私の腕を回した。

JS｢どうせ、そんなんじゃ1人で部屋いけないでしょ？｣

『......ありがと、』

JS｢うん。｣

いつか言えるようになれたらその時は、その時は。