朝日が昇る【SEVENTEEN+1】 (ページ13)

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『取り返そうよ、』

SC｢そんなこと、言われなくたって、｣

そうAの顔を見ると、彼女は涙を堪えながら必死に上を向いていた。

SC｢......言われなくたって、分かってるつもり、だし。｣

行き場のなくなった言葉はどんどん尻すぼみで消えていく。Aの泣きそうな姿を久々に見た気がする。

彼女は絶対に人前で悔し涙を見せない。涙は心の隙だと、隙を見せて自分以外の周りに迷惑を掛けたくない。それがAの信念だと、昔聞いたことがある。

『頑張ろう、』

SC｢ああ、｣

『てか、こういう励ましはむしろ、スンチョルからうちにって受けたかったんですけど〜。』

SC｢うぜー。｣

『もう、指輪がないからって。お姉さんが油性ペンで描いてあげましょうか？』

SC｢人の事おちょくって、テレビ局の時は不安で俺の服の裾掴んでたくせに！｣

『だって安心するんだもーん！』

すると、彼女は立ち上がりドアの方へと向かっていく。そして俺の方を向いて手を伸ばした。

『さて、リーダー。一人で立ち上がりますか？それとも私と一緒に？』

ニヤリと笑った彼女の顔は、頼もしく見える。

SC｢もちろん、みんなで。｣

さし伸ばされた手を握り、ダイニングの方へ向かう。戦友の手は俺より小さく脆そうだったが、今日はなぜだか大きく厚く感じた。